なぜWebディレクターになったのか 現役が語る“はじまり”と1年目のリアル

“SNSが好き”だけじゃ仕事にならないと知った日 若手がぶつかる最初の壁

SNSディレクターを目指す理由って、わりと素直だ。
「SNSが好きだから」「Xを見るのが日課」「動画編集が得意」「バズらせたい」
そんな言葉を聞くと、昔の自分を思い出す。

俺がこの道に入ったきっかけも、本当にシンプルだった。
ただただSNSが好きで、コンテンツにワクワクして、投稿が誰かの心を動かす瞬間が面白かった。
だから「SNSの仕事、できたら最高じゃん」って思ったんだ。

でも、実際に現場に入った1年目で痛感する。
“好き”と“仕事にできる”は別の話だ。

最初にぶつかった壁は、
「SNSが好きであること」が、仕事では強みにならない瞬間があるという事実。
むしろ、“好きだからこそ折れやすい”場面すらあった。

  • 投稿作成がルーティン化していく
  • 数字の上下に揺さぶられる
  • アイデアが湧かない日が続く
  • 社内の期待が重い
  • 自分の“好き”より、求められる方向が違う

SNSディレクターとしての“最初の壁”は、
「好き」が仕事のスタートラインでしかないと知った瞬間なんだと思う。

だけど、ここを越えると視界が一気に開ける。
今回は、俺が1年目にぶつかったリアルと、
そこから見えた“続けるためのコツ”を話したい。

“仕事のSNS”は、思っていたよりずっと地味だった

SNSが好きな人ほど感じやすいのが、
「仕事のSNSって、こんなに地味なの?」というギャップだ。

1年目の俺は、SNSの仕事はもっとクリエイティブで、
もっと自由で、
もっと「自分の好き」を形にできると思っていた。

だけど現実は

  • 原稿の調整
  • 社内承認
  • 画像差し替え
  • 表現のチェック
  • 納期管理
  • 競合リサーチ
  • バリエーション出し
    こういう裏作業が7割以上を占める。

つまり、 「投稿して終わり」では全くない。

好きだけでは乗り切れない理由は、まさにここにある。

SNSの仕事は、“見えない工程”が山ほどある。
しかも、地味な作業のクオリティが投稿の結果に直結する。

俺が最初の半年で一番学んだのは、
「SNS案件は、想像以上にプロセスで勝負する仕事だ」ということ。

そして気づいた。

好きで始めたけど、
“続けるためには好き以外の力が必要”なんだ。

好きで走り始めたけど、
仕事としてSNSに向き合うなら、
“地味な作業を積む才能”が必要になる。

SNSが好きだからこそ挫折しやすいのは、
好きの延長線にある“リアルな業務”を知らないまま現場に飛び込むからなんだ。

“好きだからつらい”という矛盾

SNS好きの若手が最初に抱えるモヤモヤ。
それは、
「好きなのに苦しい」という矛盾だと思う。

例えば、こんなシーンがある。

  • 自分では“いい投稿”と思ったのに伸びない
  • 社内からのフィードバックが“正解すぎて”悔しい
  • ユーザーの反応が冷たくて心が沈む
  • 毎日のタイムラインに置いていかれる不安
  • 自分の“好き”が評価されない日が続く

SNSが好きだからこそ、数字が刺さる。
SNSが好きだからこそ、コメントの一言で落ち込む。
SNSが好きだからこそ、上手くいかない自分を責めてしまう。

つまり、SNSディレクターは
“好き”が武器であり、弱点でもある仕事なんだ。

俺も1年目のころ、数字を見るのが本当にしんどかった。
何時間もかけて作った投稿より、10分で作ったネタ投稿が伸びたとき、
「センスってなんだ…」って落ち込んだこともある。

そんな時に気づいたのが、
“好き”はスタートであって、仕事としての“軸”は別に必要だということ。

たとえば俺の場合は、

  • 反応の理由を分析するのが好き
  • 言葉の勢いを整えるのが得意
  • トレンドを解説する役割が好き
  • どのSNSでも使える“型”を作るのが楽しい

こういう“好きの種類”が細かくわかってきた。

SNSの仕事を続けられる人は、
「SNSが好き」から一歩進んで
“どんなSNSのどこが好きか”を言語化できる人。

ここを掘れると、つらさが減っていく。

“仕事のSNS”に必要だったのは、センスではなく視点だった

SNSディレクターとして働き始めると、
最初の壁は“センスへの劣等感”だ。

  • 他の人の投稿の方がオシャレ
  • 企画の切り口が鋭い人が多い
  • デザインが強い人に勝てない
  • ライティングが上手すぎる同僚に圧倒される

1年目の俺は、ずっと自分のセンスのなさを責めてた。

でも、のちに気づく。
SNSディレクターに求められているのは、
派手なセンスではなく“視点”だ。

視点とは

  • 何に気づくか
  • どこに目を向けるか
  • 誰の立場で考えるか
  • 何を面白いと思うか
  • どこまで想像できるか

これが強い人は、1年目でも伸びる。

投稿って、「面白い企画を作る人」が伸ばしているわけじゃない。
むしろ、
“地味な反応の理由を観察できる人”が伸ばしている。

俺がこの仕事を“仕事として好き”になれたのは、
視点を磨き始めたときだった。

SNSディレクターとして生き残る武器は、
センスではなく、観察の質。
ここに気づくと、1年目の不安が一気に消える。

“はじめての壁”を越えるために必要だった3つのこと

SNSディレクター1年目の俺が壁を越えられたのは、
この3つを身につけたからだと思う。

■ ① “個人の好き”を仕事の文脈に翻訳する力

たとえば

  • 自分が好きなアカウントの何が良いのか
  • どの投稿が刺さったのか
  • どんな見せ方に惹かれたのか

これを仕事の投稿にどう応用できるか。
“好き”を“技術”に転換できる人は強い。

■ ② 「成功の理由」を言語化するクセ

SNSが好きな人ほど感覚で走りがち。
でも、感覚だけで走れるのは最初の半年までだ。

1年目から意識したいのは、
「この投稿が伸びた理由」を言葉にできること。
言語化できると、再現性が生まれ、どんな状況でも迷いにくい。

■ ③ 小さな成果を“ちゃんと喜べる”こと

  • 保存が1増えた
  • コメントがポジティブだった
  • DMで感謝された
  • 上司が「いいね」って言ってくれた

こういう小さい成果を喜べる人ほど、長く続けられる。
SNSは“揺れ幅の大きい仕事”だからこそ、
小さな光を拾っていける人の方が強い。

“好き”は仕事の燃料。でも、ハンドルを握るのはあなた

SNSディレクター1年目の壁は、
「SNSが好き」という感情が、
必ずしも武器にならない瞬間があること。

だけど、ここだけは覚えていてほしい。

“好き”は、仕事の一番強い燃料になる。
ただし、燃料だけでは車は走らない。
ハンドル(=視点)と地図(=分析)が必要だ。

SNSディレクターとして仕事を続けるうえで大事なのは、
“好き”を押し殺すことじゃなく、
“好き”を仕事の言語に変えることだ。

俺はこの道を選んで本当に良かったと思っている。
しんどい日もあるけど、
誰かの反応で救われる瞬間が何度もあった。
小さな一言が、努力を報われた気持ちに変えてくれる。

もし今、あなたが1年目で不安を感じているなら、
それは普通だ。
むしろ、その不安こそが“最初の壁”を越えるための材料になる。

SNSが好きだからこそ、この仕事は楽しい。
SNSが好きだからこそ、この仕事はつらい。
その両方を抱えながら進んでいく。

“好き”は入口だったけど、
今は胸を張って言える。

SNSディレクターは、“好き”を仕事にできる最高のキャリアだ。

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投稿者

村上 駿
村上 駿
SNSマーケティング会社出身。SNSとオウンドメディアを組み合わせた連携企画で多数の実績を持つ。トレンド分析を得意とし、バズよりも“共感を生む”発信戦略をテーマに活動中。SNS運用担当とWebディレクターの橋渡し役として、現場のリアルな課題を発信している。