新人だった頃、仕事が怖かった。
Slackが鳴るたび、胸がズキッとする。
「修正お願いします」が来ると、また何かやらかしたんじゃないかと思って手が止まる。
会議に出ても、自分が喋る番が近づくと、胃がねじれるように重くなる。
Webディレクターなんて、もっと堂々としている仕事だと思っていた。
でも、当時の俺は“堂々”の反対側にいた。
テンパる、漏れる、忘れる。
タスクの並びも、会議の議事録も、何もかもうまく扱えず、
何度も「向いてない」とつぶやきながら帰った。
それでも、なんで続けてこれたのか。
今なら、その理由を新人時代の自分に渡せる気がする。
今回は、あの頃の“泣きそうな俺”に向けて書く。
これからWebディレクターになろうとしている誰かにも、
同じように届けばいい。
目次
「向いてない」と思っていたのに、辞めなかった理由
新人のとき、俺は毎日“向いてない証拠”ばかり集めていた。
・会議で要点を聞き逃す
・資料の整え方がわからない
・クライアントへのメールがうまく書けない
・チームに迷惑をかけた気がして落ち込む
ディレクターのくせに、ミスを怖がって動きが鈍る。
判断も遅い。
そんな自分に、何度もガッカリした。
でも、不思議と辞めなかった。
理由はシンプルだった。
“できなかったことが、いつかできるようになる感覚”が、たまに訪れたから。
たとえば、先輩からの指摘を自分で直せた日。
クライアントの質問に初めて即答できた瞬間。
誰かからの「助かりました」の一言。
その小さな手応えが、泥の中に小さく光ってた。
それだけで、「今日は続けてもいいか」と思えた。
ディレクターに向いていたわけじゃない。
ただ、“続ける理由”が、少しずつ増えていっただけだ。
新人の頃って、成長より失敗のほうが目立つ。
でも、点で見れば負けてても、線で見ればちゃんと進んでる。
そのことに気づくまで時間がかかった。
“何もわかってない自分”を責めなくていい理由
新人の頃の俺は「全体が見えない」ことが最大のストレスだった。
ディレクターって、プロジェクトを俯瞰するイメージがあるけど、
1年目でそんなの見えるわけがない。
・何が正しくて
・どこが危なくて
・誰に相談すればよくて
・自分はどこを担当してるのか
全部が曖昧で、毎日砂地を歩くような感覚だった。
でも、今は言える。
“わからない”は当たり前だし、むしろその感覚が強いほど吸収が早い。
理解したつもりで突っ走る人より、
「これ大丈夫かな」と立ち止まれる人の方が、現場では事故が少ない。
新人の“慎重さ”は弱さじゃない。
武器だ。
当時の俺に言いたいのは、
「わからない自分を恥ずかしがるな。
その“わからなさ”が未来の基礎になるから。」
ということだ。
チームを救ったのは、“うまさ”ではなく“誠実さ”だった
新人時代、スキルが足りないせいで助けてもらうことばかりだった俺が、
唯一できたことがある。
失敗したら、ちゃんと向き合うこと。
・判断が遅れた
・確認が漏れた
・文章の意図を誤解していた
・タスクの進め方を間違えた
ミスはたくさんしたけど、
逃げなかった。
その積み重ねが、気づけば“信頼の芯”になっていた。
たとえば、ある案件で俺が作った資料がボロボロで、
先輩にフルリテイクをもらったことがある。
その夜、自分なりに全部見直して、翌朝「直しきれませんでした」と正直に持っていった。
怒られると思っていたら、
先輩は「ここまでやったなら十分だよ」と言ってくれた。
あの瞬間、
“スキルより大事なもの”が確かにあるとわかった。
新人の頃は、できる・できないで自分を判断しがちだ。
でも現場は、うまさより“誠実さ”をちゃんと見てくれる。
それを信じていい。
“泣きそうな日”を支えたのは仲間の一言だった
新人の頃、何度も帰り道で涙をこらえた。
クライアントに刺されるようなフィードバックをもらった日。
チーム内で判断を誤って怒られた日。
自分のせいで作業が後ろ倒しになった日。
でも、必ず誰かが声をかけてくれた。
「よく踏ん張ったよ」
「これ誰でも迷うやつだよ」
「次は一緒にやろうぜ」
その一言が、本当に身体を支えてくれた。
人って、不思議なくらい“ほんの少しの言葉”で立ち直れる。
ディレクターの仕事は人と関わる分、
支えてくれる仲間がいれば、どれだけでも走れる。
だから、孤独にならないでほしい。
新人ほど、誰かに寄りかかっていい。
弱さを出せる場所がないと続かない。
俺もその弱さで、何度も助けられた。
続けてこれた理由“ひとつ”を挙げるなら
結局、なんで俺は辞めなかったのか。
いろんな理由はあるけど、ひとつだけ選ぶなら、
“誰かの役に立てた瞬間が、たまらなく嬉しかったから”だ。
・資料の一行を直して感謝された
・修正の方向性を決めてプロジェクトが動き始めた
・確認の早さを褒められた
・チームに余裕ができた
そんな些細な瞬間に、
「これ、俺じゃなきゃできなかったな」と思える出来事があった。
ディレクターって、華やかではない。
目立つわけでもない。
でも、この仕事には“誰かの助けになれる瞬間”が確かにある。
その瞬間のために、今も続けている。
新人の頃の俺に言うなら、
「その瞬間を探し続けろ。
それさえあれば、この仕事は続けられる。」
だ。
泣きそうだった新人時代の“越え方”
1.向いてないと思っても、小さな手応えを拾う
2.“わからない”は弱さじゃなく、伸びしろ
3.うまさより誠実さの方が、現場では強い
4.誰かの言葉が、自分を前に押してくれる
5.役に立てた瞬間が、自分の道を決める
新人の頃の俺に伝えたいのは、
「泣きそうでも、逃げ出さなかった自分を胸張っていい」
ということ。
仕事は難しい。
失敗も多い。
でも、それでも続けた先に、
“自分なりのディレクター像”がちゃんと形になる。
この道を選んだ理由は、続けた先にやっと見えてきた。
だから、迷いながらでいい。
泥だらけでいい。
続ければ、自分の現場が必ず見えてくる。

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