来年度からWebディレクターになる人へ 現場に出る前に“やってよかった準備”

SNS投稿は“分析より先に習慣” 最初の30本でテンションをつかむ

SNSディレクターの1年目って、つい「分析から始めなきゃ」と気負いがちなんだよね。数字を読んで、伸びる時間帯を考えて、競合チェックして…って、やることはいくらでもある。でも実際の現場って、そこに踏み込む前に“手が止まる”新人がめちゃくちゃ多い。投稿文が書けない、構図が決まらない、テンションが上がらない…そんな壁にぶつかって、そもそも「投稿する」というアクション自体が続かなくなる。

だから今回のテーマは、もう少し肩の力を抜いたスタートラインの作り方。
SNSは、技術より先に“習慣”が勝つ。テンションも、熱量も、企画センスも、その場に立ち続けて初めて身につくものだから。

この記事では「新人が最初の半年を楽にする準備」として、最初の30本の投稿で何をつかむべきか を話す。
そして後半では、僕自身がSNS初心者だった頃、完全にテンション迷子で崩れかけた実体験をコラムとしてまとめる。
来年度からSNSや発信まわりを担当する予定の新人さんも、すでに現場に出ている若手ディレクターも、今日から一歩踏み出せるように。

分析より先に“投稿習慣”をつくる

SNS運用のコツを一言でまとめるなら、「まず30本やってみてから考えよう」。
これだけ聞くと雑に見えるかもしれないけど、実は新人を救う最短ルートだったりする。

■ なぜ最初の30本が重要なのか

SNSって、投稿前に考えられることと、投稿して初めて分かることがまったく違う。
画像のテンション、文章の長さ、時間帯、ターゲットの反応。
どれも“肌で感じないと掴めない”空気感の塊だ。

新人が最初にやるべきは、「反応を取りに行く」じゃなくて「手を止めない」 こと。

分析はもちろん大事。でも分析が役に立つのって、最低限の投稿母数があって初めてなんだよね。投稿がゼロ〜数本の状態でGAやXのアナリティクスを見ても、読み取れる情報はほぼない。だからこそ、最初の30本は“データというより自分のテンションを整える期間”と割り切っていい。

■「型」を持つと習慣は続く

投稿が続かない原因の7割は「毎回ゼロから作ろうとしている」から。
だから最初の30本は、3つの型 を決めてしまうのがおすすめ。

1) 写真+ひとこと
2) 豆知識・Tips形式
3) 日常の気づき系

この3つだけで投稿テーマは十分回る。
あとは写真を変えるか、視点を変えるか、テンションを変えるだけで量産できる。

■ ルール作り=自分のテンション管理

SNS投稿は“自分との戦い”になりがちだから、小さなルールを作ってテンションを保つのがおすすめ。

  • 投稿時間は毎日固定(朝か夜のどちらかでOK)
  • 書き出しは毎回同じ型で始める
  • 「迷ったらとりあえず下書き保存」
  • 投稿後10分だけ振り返る(伸びなくても落ち込まない)

この小さな仕組みが、習慣化の軸になる。

■ 新人は「熱量の出し方」を最初に学ぶ

SNSで一番大事なのは、かっこよく見せる文章でも、データを読み解く力でもなくて、
熱量をどう出すか なんだよね。

“刺さる投稿”って、文章が上手いとかじゃなくて、
「その人自身がその瞬間に感じた勢い」がちゃんと画面越しに伝わるかどうか。
その感覚を掴むための練習が、最初の30本だ。

投稿の“テンション”をつかむ5つの実務アドバイス

30本を走り切るために、現場ディレクターとして僕が新人に必ず伝えるのがこの5つ。

1)「いいね」は気にしなくていい、本当に

最初は数字が伸びないのが普通。
むしろ伸びたらビギナーズラックと思っていい。
数字が動かないからこそ、いろんなテンションで投稿して実験できる。

2)投稿前に“5秒だけ”画面を見る癖をつける

タイムラインは常に動いている。
いま自分の発信がどんな場所に流れるのか、その空気感を5秒だけ見よう。
周りより少しだけテンションを上げると、画面に溶け込みやすい。

3)新人は「盛りすぎより、少し軽い」くらいがちょうどいい

新人がやりがちな失敗は、文章を盛り込みすぎること。
SNSは軽さ・速さ・明るさが命。
まずは“気軽に読めるテンション”を目指すといい。

4)写真素材は10〜20枚を先にストック

撮影段階で詰まると投稿習慣が崩れる。
だから最初に“汎用写真ストック”を作るのがおすすめ。
机、PC、手元、街角、ノート、キーボード…なんでもいい。
テンションのベースがあると、投稿が一気に楽になる。

5)「完璧に仕上げる」は卒業してOK

SNSで大事なのは、完成度じゃなくて“空気感”と“勢い”。
上手く書こうとするほど、自分のバイブスが削れて手が止まる。
新人ほど「60%で出して修正する」くらいがちょうどいい。

僕がSNS投稿で迷子になった日

SNSの仕事を始めたころ、僕は完全にテンション迷子だった。
投稿は遅いし、文章は硬いし、何より“自分の熱量”が出ない。
新人研修でSNS担当を任されて、「軽さ」「勢い」「空気感」が必要だと言われても、まったく掴めなかった。

その頃の僕は、投稿前に毎回“正しさ”を探してた。

  • この情報は正しいか?
  • 文章はスマートか?
  • 炎上しないか?
  • 競合はどう投稿しているか?

頭はフル回転なのに、指はぜんぜん動かない。
下書きだけがどんどん増えて、結局投稿ができない日が続いた。

そんなある日、当時の先輩に言われた。

「村上、SNSは“考える前に10本投げる”ほうが伸びるぞ」

その言葉を聞いた瞬間は、正直ピンと来なかった。
でもその日の帰り道、スマホで街の写真を撮りながら、ふと思った。

「もしかして、SNSって“上手くやる”んじゃなくて“そこに立ち続けること”なのか?」

次の日、僕はノートに“投稿の型”を3つだけ決めた。

  • 写真+ひとこと
  • 今日の気づき
  • 仕事のワンポイント

この3つだけで、とにかく10本投稿してみた。
すると、不思議なことに“文章のテンション”が段々つかめてくる。
言葉の軽さも、勢いも、写真の選び方も、回数を重ねるほど自然になった。

反応はほぼゼロだったけど、僕は少し自信がついた。
「投稿できる自分」に戻れたことが大きかった。

そこから30本、50本と続けるうちに、
“どんな投稿なら刺さりやすいか”
“僕のテンションはどこにあるのか”
が自然と整ってきた。

あの時、最初から分析に全力で向き合っていたら、たぶん挫折していたと思う。
数字より先に必要なのは「投稿の筋力」と「自分のテンションを知ること」だった。

新人のあなたがもし止まっているなら、上手く投稿する必要はない。
まずは10本、できれば30本。ただそこに立って、手を動かして、空気を吸い込むように投稿してみよう。

SNSは“習慣が技術をつれてくる”世界だから。

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投稿者

村上 駿
村上 駿
SNSマーケティング会社出身。SNSとオウンドメディアを組み合わせた連携企画で多数の実績を持つ。トレンド分析を得意とし、バズよりも“共感を生む”発信戦略をテーマに活動中。SNS運用担当とWebディレクターの橋渡し役として、現場のリアルな課題を発信している。