UI文言が苦手だと感じる新人は、「正しい表現が分からない」という理由で手が止まりがちです。
けれど、現場で使えるUI文言は、いきなり思いつく必要はありません。
新人のうちにまず身につけたいのは、並べて比べるという非常にシンプルな情報整理の基礎です。
言葉の良し悪しは、単体で見ても判断しづらいものです。
しかし、複数の選択肢を並べると、文言の粒度、行動の明確さ、説明の幅が比較しやすくなり、
“最適な選択”が自然に浮かび上がります。
UI文言は、センスではなく比較から生まれる設計の仕事です。
新人や1〜3年目が現場で生き残るためには、「まず比べる」習慣が役に立ちます。
今回は、UI文言の基礎として覚えてほしい“比較の技術”についてまとめます。
目次
UI文言は「並べて比べる」だけで精度が上がる
文章に苦手意識があっても、比較の視点さえ持てば文言のクオリティは一段階上がります。
特に新人のうちは、最初から“正しい言葉”を出そうとしないほうが良いこともあります。
■ 文言は“単体で見ると迷うが、並べると判断できる”
例えば、確認モーダルのボタン文言を考えるとします。
- 保存する
- 設定を保存
- この内容で保存
- 保存
単体では「どれがいいのか」「何が違うのか」分かりにくいかもしれません。
しかし、並べると違和感のある長さ、粒度の揃っていない表現が自然に浮き出てきます。
UI文言の基礎は、この“違いを観測する”習慣です。
正解を探すのではなく、比較して整合を選ぶ。
これが、プロダクトの印象を揃えるために欠かせない視点です。
■ “並べる”と、文言の役割が見えるようになる
文言を並べると、画面で担わせたい役割がはっきりします。
- 行動を示す文言
- 状況を説明する文言
- 不安を抑えるための文言
それぞれ役割が違うため、比較することで
「これは長いほうがいい」「これは短くまとめたい」という判断が自然に決まります。
新人のつまずきは「何を基準に判断すればいいかが分からない」ことにあります。
比較は、その基準を作る作業でもあります。
■ 文言単体より“画面としての印象”を比較する
UI文言は、個々の言葉よりも画面に置いたときの印象が重要です。
例えば、次のような文言があったとして
- 登録
- アカウントを作成
- 作成する
- 完了して次へ
これらも、画面全体と並べないと判断ができません。
画面の情報量、文字数のバランス、導線の流れ…
こうした“周囲との整合”が、文言を選ぶ基準になります。
新人が最初に覚えるべきは、
言葉単体ではなく、画面として比べるという視点です。
■ 比較は“文章力の不足”をカバーする技術
文章が苦手でも、比較の視点さえあれば文言は作れます。
- 自分で書いた案
- 既存アプリの表現
- プロダクトのルール
これらを並べるだけで、
“どれが馴染むか”という判断がしやすくなります。
文章の巧さではなく、印象と整合の判断が価値を生む
これは新人にとって大きな武器になります。
新人が明日から実践できる「比較」のテクニック
ここでは、1〜3年目の若手が現場で即使える“比較の基礎”を紹介します。
■ ① まず「3案」を作る
UI文言は、1案で決めないほうがいい仕事です。
最低でも、
- そのまま案
- 丁寧案
- 短縮案
の3つを出すと比較がしやすくなります。
特に新人は「最初の案を正しくしよう」と力んでしまいがちですが、文言は比較材料があるほうが精度が上がります。
■ ② 画面内の文言も“並べて比較”する
UI文言は、画面全体での整合が大切です。
- 同じ粒度で書かれているか
- 名詞や動詞のレベルが揃っているか
- 行動の強さが統一されているか
これらは画面単位で比較することで明確になります。
■ ③ “役割で分けて”並べる
文言を比較するときの整理の仕方はシンプルです。
- 行動
- 状況
- 条件・注意
- 補足
この4つに分類すると、並べ替えの方向性が見えます。
比較すると、
「これは補足なのに重い」「行動文言なのに弱い」という違いが見えるようになります。
■ ④ プロダクトの“波長”と照らして判断する
文言の正否は、プロダクトの印象と照らし合わせることで決まります。
- 落ち着いたトーンのサービスなのか
- 業務向けの端的な表現が求められるのか
- カジュアル寄りの表現を使っているのか
比較すると、プロダクトの“波長”に合う表現が選びやすくなります。
新人のうちは、
「その場で作る」より「過去の例と比べて選ぶ」ほうが質が安定します。
比較するだけで“視界が開けた日”
新人の頃、私はUI文言のレビューでよく行き詰まっていました。
「文章は悪くないけど、画面に合っていない」という指摘ばかり受けていたからです。
ある日、ボタン文言がどうしても決められずに悩んでいると、先輩がこう言いました。
「3つ書いて、横に並べてみて」
そのときの私は、文言は“正しい一つ”を考えるものだと思い込んでいたため、
並べるという発想がありませんでした。
言われた通りに3案を書き、
画面キャプチャの横に付箋を貼るように並べてみると
- 長さ
- 強さ
- 行動の明確さ
- 画面との馴染み方
これらが、一目で分かるほど違って見えました。
その瞬間、先輩が横で言いました。
「文言なんて、単体だと判断できないよ。
比べることで“何が合うか”が分かるんだ。」
その日以来、私は文言を必ず並べて比べるようにしています。
比較という小さな習慣が、文言の質を支える大きな軸になりました。
今なら新人の自分に伝えられます。
UI文言は、最初から正解を作る必要はない。
並べて比べることで、最適な選択が自然と見えてくる。
比較は、文言づくりの基礎であり、
新人が最初に身につけるべき“情報整理”の出発点です。

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