入社までの1か月 これだけ覚えておけばいい

最初の1か月は 流れを覚えるだけでいい

入社前や入社直後の時期って、
「早く役に立たないといけない気がする」
この感覚が、わりと強めに出ます。

仕事を覚える。
空気を読む。
迷惑をかけない。
できれば、ちゃんと評価されたい。

その気持ちは、すごく自然です。
ただ、先にひとつだけ伝えておくとしたら、
最初の1か月で、そこまで背負わなくて大丈夫です。

最初の1か月は、成果を出す期間ではありません。
信頼を勝ち取る期間でもありません。
ましてや、一人前になる期間でもありません。

最初の1か月でやっておくと、あとが楽になることは、実はかなりシンプルです。
それは、「流れを覚えること」です。

何をしている現場なのか。
誰が何を決めているのか。
どんな順番で仕事が進んでいくのか。

この記事では、「最初の1か月はこれだけでいい」と言い切ります。
細かいノウハウやテクニックは置いておきます。
できることを増やす話もしません。

流れを覚える。
まずは、それだけでいい、という話です。

最初の1か月に 求められていることは何か

入社してすぐの時期に、周りが本当に見ているのは、
「どれくらいできるか」よりも、「どう現場を見ているか」です。

極端な話、最初の1か月で完璧に仕事ができる人はいません。
多少ミスをしても、それ自体が評価を大きく下げることはほとんどありません。

それよりも差が出るのは、
この人は、現場の流れをつかもうとしているか。
誰がどんな役割で動いているかを見ているか。
分からないなりに、全体を把握しようとしているか。

仕事の流れは、マニュアルには書き切れません。
会議の進み方、相談の仕方、確認が入るタイミング。
そういうものは、現場の中でしか分からないことが多いです。

だから最初の1か月は、
「自分が何をするか」よりも、
「現場がどう動いているか」を見る期間だと思ってください。

この案件は、どこで判断されているのか。
この作業は、次に誰に渡るのか。
何が決まると、次に進めるのか。

こうした流れをつかめてくると、
2か月目以降の仕事は、驚くほどやりやすくなります。

逆に、ここを飛ばして「早く成果を出そう」とすると、
後から流れが分からなくなって、余計に苦しくなることがあります。

「できるようになろう」としすぎると 迷子になる

真面目な人ほど、最初の1か月で頑張りすぎます。
早く覚えようとする。
一回で理解しようとする。
分からない自分を、そのままにできない。

でも、ここで少し視点をずらしてほしいです。

最初の1か月は、「できるようになる期間」ではありません。
「どういう流れで仕事が進んでいるか」を知る期間です。

流れが分かっていない状態で、
作業だけを覚えても、あとで必ずつまずきます。
なぜその作業が必要なのか。
どこまでやれば十分なのか。
それが見えなくなるからです。

流れを覚えるというのは、
一つひとつの仕事を、点ではなく線で見ることです。

この作業は、どこから来て、どこへ行くのか。
誰の判断を経て、次に渡るのか。

最初の1か月は、
この「線」を頭の中に作ることを優先していい。

できないことがあっても大丈夫です。
むしろ、流れを見ずにできるようになるほうが、あとで修正が大変です。

コラム|最初の1か月で「流れを見る」ことを覚えられなかった頃の話

私自身、最初の1か月をうまく使えなかった経験があります。
今振り返ると、「流れを見る」より「できる人に見える」ことを優先していました。

当時は、とにかく迷惑をかけないようにしようと考えていました。
分からないことがあっても、なるべく自分で処理しようとする。
一度教わったことは、もう聞かないほうがいいと思い込む。

結果として、作業はこなしているのに、全体が見えない状態が続きました。
この仕事が、どこにつながっているのかが分からない。
次に何が起きるのかを、予測できない。

あるとき、少し大きめの調整が入り、進行を整理する場がありました。
その場で初めて、
「ここで判断されて、ここに渡って、ここで止まる」
という流れを、きちんと説明してもらいました。

正直、そのとき思ったのは、
「これ、最初に知りたかったな」ということでした。

でも同時に、
最初の1か月でそこまで見ようとしていなかった自分にも気づきました。
作業を覚えることに必死で、流れを見る余裕がなかったのです。

それ以来、現場に新しく入る人を見るときは、
「できているか」よりも、
「流れをつかめていそうか」を見るようになりました。

多少ゆっくりでも、
流れを理解している人のほうが、
あとから確実に安定します。

最初の1か月でやることは、
全部を理解することではありません。
全部できるようになることでもありません。

流れを覚える。
どんな順番で仕事が動いているかを、なんとなくでもつかむ。

それだけで、2か月目、3か月目の景色は、ちゃんと変わります。

これから入社する人に、先輩としてひとつだけ言うなら、これです。
最初の1か月は、流れを覚えるだけでいい。

それ以上のことは、あとから必ず追いつきます。
だから今は、少し肩の力を抜いて、
「まずは流れを見よう」くらいで、ちょうどいいと思います。

前の記事 不安を 消そうとしなくていい
次の記事 分からない言葉を そのままにしない

投稿者

出口 夕紀
出口 夕紀
大規模案件のPMを長く務め、制作・開発・運用を横断して進行を設計してきた。
全体の流れを読み取り、役割と優先順位を整える調整力が強み。
チームが動きやすい“土台づくり”を担うプロジェクトマネージャー。