仕事をしていて、一番しんどかった瞬間って何だろうと考えると、
僕の場合は「怒られたとき」でも「失敗したとき」でもなかった。
何も言われないときだった。
出したものに反応がない。
修正もない。
良いとも悪いとも言われない。
最初は「忙しいのかな」と思っていた。
次は「あとでまとめて返ってくるのかも」と考えた。
でも、それが続くと、だんだん別の考えが頭に浮かんでくる。
これ、そもそも見られてないんじゃないか。
もしかして、価値がないと思われてるんじゃないか。
新人の頃は特に、この思考に引っ張られやすい。
仕事の出来不出来と、自分の価値を切り離すのが、まだうまくできないからだ。
今回は、「反応がない」という、すごく地味だけど、かなり厄介な悩みについて書いてみようと思う。
新人の頃にこれを知っていたら、もう少し楽に悩めたかもしれない、という話だ。
目次
反応がないだけで、勝手に話を作り始める
反応がない状態が続くと、人は勝手にストーリーを作り始める。
きっと期待されていない。
たぶん出来が悪かった。
もう少しできる人がやった方がいいと思われている。
誰もそんなことは言っていないのに、
頭の中では勝手に「自分は評価が低い」という前提が出来上がっていく。
これが厄介なのは、ある程度もっともらしく感じてしまうところだ。
反応がない、という事実がある分、その理由を補完したくなる。
新人の頃は、判断材料が少ない。
だから、少ない情報をもとに、いちばん不安になる解釈を採用してしまいやすい。
今振り返ると、あの頃の自分は「仕事がうまくいっていない」のではなく、
「分からない状態をうまく扱えていなかった」だけだったと思う。
でも当時は、その違いが分からなかった。
仕事の反応と、自分の価値を結びつけすぎていた
反応がないときに一番きつかったのは、
仕事の結果と、自分そのものを直結させてしまっていたことだ。
この企画が通らなかった。
この資料にコメントがつかなかった。
この投稿に何も言われなかった。
その一つひとつが、
「自分はダメなんじゃないか」という感覚に直結していた。
今なら分かる。
仕事の反応は、タイミングや状況、相手の余裕にも左右される。
良し悪し以前に、「今じゃない」という理由で止まることも多い。
でも新人の頃は、そんな余裕はなかった。
仕事が自分の評価そのものに感じられてしまう。
だから、反応がない時間は、静かに、でも確実に自己評価を削っていく。
この状態に長くいると、挑戦するのが怖くなり、出すこと自体がしんどくなっていく。
ある日気づいた「反応がない理由」は、だいたい雑だった
今だから笑って言えるけれど、後から分かった「反応がなかった理由」は、だいたい拍子抜けするものだった。
忙しくて見ていなかった。
他の対応が優先されていた。
良くも悪くも、特にコメントする必要がなかった。
つまり、自分が想像していたような「深刻な評価」は、ほとんど関係なかった。
当時の僕は、
反応がない=無視されている=価値がない、
という三段跳びを頭の中で勝手に完成させていた。
でも現場は、もっと雑で、もっと適当で、
そこまで一人ひとりのアウトプットに感情を乗せていない。
この事実に気づいたとき、少しだけ肩の力が抜けた。
反応がないのは、自分の価値が下がったからではなく、単に「今、何も言う必要がなかった」だけかもしれない。
反応がないときに、やらなくてよかったこと
新人の頃の自分に、これはやらなくてよかったなと思うことがある。
一つは、無理に目立とうとすること。
反応がないと、「何か変えなきゃ」と焦って、
急にキャラを変えたり、過剰に発言したりしたくなる。
でも、それでうまくいった記憶はあまりない。
むしろ、空回りして疲れることの方が多かった。
もう一つは、一人で結論を出すこと。
反応がない=ダメだった、
と勝手に決めてしまうのは、かなり危険だ。
分からないなら、聞けばいい。
確認すればいい。
「これ、どうでしたか」と一言聞くだけで済む話も多い。
当時の自分は、それができなかった。
聞くこと自体が、評価を下げる気がしていたからだ。
考え直してから、少し楽になった視点
反応がないときに、少し楽になった考え方がある。
それは、「反応がない=何も決まっていない状態」
と捉えることだ。
良いとも悪いとも判断されていない。
つまり、まだ可能性が閉じていない。
そう考えると、反応がない時間は「宙ぶらりん」ではあるけれど、
「否定された」わけではない。
この視点に切り替えられるようになってから、
仕事の受け止め方が少し変わった。
反応があれば参考にする。
反応がなければ、状況を確認する。
それだけでいい。
自分の価値まで一緒に下げる必要はなかった。
新人の頃の自分に言いたいこと
もし新人の頃の自分に、ひとつだけ言えるなら、これだ。
反応がないからといって、自分まで小さくしなくていい。
仕事の反応は、その仕事の話でしかない。
あなた全体の話ではない。
新人の頃は、仕事と自分の境目がまだ曖昧だ。
だから悩むし、落ち込む。
でもそれは、ちゃんと向き合っている証拠でもある。
どうでもよかったら、そんなことで悩まない。
「反応がない」という悩み方は、社会人として、かなりまっとうだ。
悩み方を間違えなければ、その経験はちゃんと次につながる。
新人の頃にこれを知っていたら、もう少し楽に、もう少し笑いながら悩めた気がする。

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