Webの現場あるあるは だいたい裏側にある

PMの仕事は 説明しようとすると長くなる

「で、結局何やってるんですか?」
PMの仕事について聞かれたとき、わりと高確率で出てくる質問です。

短く答えようとすると、
「全体を見てます」
「調整してます」
「進行を回してます」
みたいな、ふわっとした言葉になる。

もう少しちゃんと説明しようとすると、
「企画と制作と開発の間に立って」
「判断の整理をして」
「優先順位を組み替えたり」
と、話が伸び始めます。

気づくと、
「ちょっと長くなるんですけど」
という前置きが必要になり、
説明が終わるころには、相手の集中力がだいぶ怪しくなっている。

PMの仕事あるあるの一つは、
説明しようとすると長くなる、これです。

今回は、このあるあるについて、
なぜそうなるのかと、
実際の現場ではどう割り切っているのか、
そのくらいの話をします。

大きな学びにまとめるつもりはありません。
「まあ、そういう仕事だよね」で終わる回です。

説明が長くなる理由は 仕事が断片じゃないから

PMの仕事が説明しづらい理由は、
やっていることが一つに切り出せないからです。

デザインを作っているわけでもない。
コードを書いているわけでもない。
数字を直接動かしているわけでもない。

その代わりに、
誰が何を見ているかを把握して、
どこで判断が止まりそうかを考えて、
必要なら順番を入れ替える。

この仕事は、
「これを作っています」と言える成果物がありません。
あるのは、
「そのまま進むと危なそうだったので、少し前で止めた」とか、
「ここは今決めないほうが良さそうだったので、判断を後ろにずらした」とか、
そういう話です。

つまり、
背景 → 状況 → 判断 → 影響
この一連を説明しないと、
何をしていたのかが伝わらない。

だから、どうしても説明が長くなります。

短く言おうとすると 嘘になる問題

PMの仕事を短く説明しようとすると、
ちょっとした嘘が混じります。

「進行管理です」と言うと、
スケジュール表を更新している人みたいに聞こえる。
「調整役です」と言うと、
板挟みで消耗しているだけの人みたいに聞こえる。

実際には、
進行だけを見ているわけでもないし、
ただ間に立っているだけでもない。

でも、
全部正確に説明しようとすると、
話が長くなりすぎる。

このジレンマは、
PMをやっている人なら、一度は通ります。

「分かりやすく言いたい」
「でも雑にまとめたくない」
この間で、だいたい毎回迷う。

現場では どう割り切っているか

じゃあ、実際どうしているかというと、
説明を諦める場面も多い、これです。

正確に言うと、
全部を説明しようとしない。

相手によって、説明の粒度を変えます。
制作の人には、今どこで詰まりそうか。
開発の人には、判断が必要なポイントだけ。
クライアントには、今決まっていることと、まだ決まっていないこと。

全部を一気に伝えない。
必要な分だけ切り出す。

そうしないと、
説明すること自体が目的になってしまいます。

それでも、
「で、結局何してるの?」と聞かれたら、
最近はこう答えることが多いです。

「今は、何も起きないようにしてます」

これで伝わる人には伝わるし、
伝わらない人には、どのみち長く説明しても伝わらない。

なので、そこで深追いしない。

それでも 長くなるときは長くなる

とはいえ、
どうしても説明が長くなる場面はあります。

トラブルが起きたとき。
判断が食い違ったとき。
なぜその決定になったのかを後から説明するとき。

そういうときは、
腹をくくって長く話します。

短くまとめるより、
背景から順に話したほうが、結果的に早いからです。

このあたりも、
PMの仕事あるあるです。

あるあるの結論

PMの仕事は、
説明しようとすると長くなります。

それは、
仕事が複雑だからでも、
説明が下手だからでもありません。

もともと、
一言で言えない種類の仕事だからです。

なので、
短く言える日もあれば、
長く話す日もある。

それでいい。

全部を分かってもらおうとしない。
必要なところだけ、ちゃんと伝える。

あとは、
まあ、そういうもんです。

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投稿者

出口 夕紀
出口 夕紀
大規模案件のPMを長く務め、制作・開発・運用を横断して進行を設計してきた。
全体の流れを読み取り、役割と優先順位を整える調整力が強み。
チームが動きやすい“土台づくり”を担うプロジェクトマネージャー。