Webの仕事をしていると つい考えてしまうこと

旅行の計画を立てると 進行表を作りたくなる

旅行の計画を立てるとき、まず何をしますか。
行き先を決めて、宿を探して、観光地を調べる。
普通はそのくらいだと思います。

でも、Webの仕事をしていると、つい別のことを考え始めます。
移動時間は何分か。
チェックインまでの余白はどれくらいあるか。
もし電車が遅れたら、どこで吸収できるか。

気づくと、頭の中でタイムラインが引かれています。
誰も頼んでいないのに、勝手に工程管理を始めている。
これ、けっこうな職業病です。

今回は、「旅行の計画を立てると進行表を作りたくなる」という、ちょっと笑えるけれど、わりと本気の話をします。
Webの仕事をしていると、無意識の思考パターンが日常にまで染み出してくる、という話です。

観光地より先に「所要時間」を見る

旅行サイトを開いた瞬間に、まず目がいくのが「所要時間」です。
この観光地は滞在目安が90分。
移動は電車で25分。
乗り換えは1回。

「楽しそう」より先に、「回せるかどうか」を考えてしまう。
これがまず一つ目です。

しかも、頭の中では自然とバッファが入ります。
移動は25分と書いてあるけれど、実際は少し余裕を見て35分。
昼食は混むかもしれないから、想定より30分延ばしておく。

こうやって、どんどん仮のタイムラインが出来上がります。
旅行のはずなのに、気分はほぼプロジェクトキックオフです。

誤解しないでほしいのは、これが「几帳面だから」ではないということです。
仕事で、何度も「時間の読み違い」に苦労してきた結果、自然とそうなっているだけです。

Webの現場では、想定時間がぴったり当たることはほとんどありません。
だから、余白を考える癖がつく。
その癖が、休日にも出てくるだけです。

「ここで詰まるかも」を探してしまう

旅行の計画を立てているとき、私はよく「詰まりそうなポイント」を探しています。
人気の美術館は入場制限があるかもしれない。
有名なカフェは並ぶかもしれない。
チェックインが遅れたら夕食の予約に間に合わないかもしれない。

まだ何も起きていないのに、「もし」を想定している。
これも完全に仕事の癖です。

Webの進行管理では、トラブルは起きてから対応するのでは遅いことがあります。
だから、「ここで詰まりそうだな」という予感を拾っておく。
その積み重ねで、表向きは何も起きなかった日が生まれます。

旅行でも同じ思考回路が発動します。
最悪のケースを避けるために、少しだけ順番を入れ替えてみる。
朝イチで混みそうな場所を回しておく。
夜に余裕を持たせる。

傍から見ると、「なんでそんなに詰めるの」と言われることもあります。
でも本人としては、「安心して楽しむための準備」です。

同行者の動きを「工程」として見てしまう

これ、少しだけ怖い話かもしれません。
旅行に一緒に行く人の動きまで、無意識に工程として見てしまうことがあります。

朝が弱い人がいるなら、午前中の予定は軽めに。
写真をじっくり撮るタイプなら、滞在時間は長めに。
移動が苦手な人なら、乗り換えは少なく。

もちろん、気遣いです。
でも、どこかで「進行の最適化」を考えている自分がいます。

Webの仕事では、人の特性を理解することが進行に直結します。
この人は即レス型。
この人はまとめて確認する型。
それを前提に組むから、スムーズに回る。

その思考が、旅行にも出てくる。
日常にまで染み出した職業病です。

でも、全部が予定通りじゃなくてもいい

ここまで読むと、「旅行くらい力を抜けばいいのに」と思うかもしれません。
実際、その通りです。

仕事と違って、旅行は多少ズレても困りません。
電車を一本逃しても、観光地を一つ飛ばしても、大きな問題にはならない。

最近は、意識して余白を残すようにしています。
あえて何も入れない時間を作る。
「ここは成り行きで」と決めておく。

すると、不思議なことに、その時間が一番印象に残ったりします。
偶然入ったお店が良かったり。
予定になかった景色に出会えたり。

仕事では「予定通り」が安心ですが、
旅行では「少し外れる」が面白さだったりします。

それでも、最初に進行表を作りたくなるのは変わりません。
もう癖です。

職業病だけど、悪くない

Webの仕事をしていると、
時間の流れを分解して見る癖がつきます。
人の動きをつなげて考える癖がつきます。
先回りしてリスクを探す癖がつきます。

それは、知られていないけれど、確実に身についている力です。
旅行の計画でさえ発動するくらいです。

たぶん、これからも私は旅程を組みます。
所要時間を調べます。
余白を入れます。

そして、少しだけ外れた出来事を楽しみます。

Webの仕事をしていると、つい考えてしまうこと。
その一つが、「進行表を作りたくなる」です。

まあ、職業病ですね。
でも、ちょっと笑えるし、悪くないと思っています。

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投稿者

山本 莉央
山本 莉央
制作会社でディレクターを8年経験。複数の案件を同時進行しながら、チームマネジメントやクライアント対応を担当してきた。“現場で回す力”と“人が動く段取り”を重視し、実践的な進行管理術をテーマに執筆。現在はチーム育成や業務改善のコンサルティングも行っている。