Webの仕事をしている人って、ちょっと変わった好奇心を持っていると思っています。
新しいツールが出たら触ってみたくなるとか、UIの細かい違いが気になるとか、そういう分かりやすい好奇心もあります。
でもそれ以上に、僕らを動かしているのは、もう少し地味な好奇心です。
例えば、誰かが「ちょっとトラブルがあって」と言った瞬間。
普通は「大変やな」で終わるところを、僕らはそこで止まりません。
何があったのか。
どこでズレたのか。
最初の違和感はいつだったのか。
誰がどう判断したのか。
話を最後まで聞く前に、頭の中ではもう仮説が立ち始めています。
これは性格が悪いわけでも、ゴシップ好きなわけでもありません。
仕事柄、流れを見る癖がついているだけです。
トラブルは突然起きるように見えて、だいたいは積み重ねです。
小さな判断。
小さな遠慮。
小さな確認漏れ。
その連鎖を何度も見てきたからこそ、裏側が気になってしまう。
今日はその話です。
トラブルの裏側を知りたくてたまらない。
このちょっと厄介で、でもわりと健全な好奇心について書きます。
なぜ裏側が気になるのか
僕はトラブルが好きなわけではありません。
できれば平和なほうがいいです。
でも起きてしまったとき、どうしても思います。
「で、実際どうやったん?」と。
誰が悪いかよりも、どう流れたか。
どの判断が引き金だったか。
どこで止められた可能性があったか。
そこが気になります。
外から見ると、トラブルは単純に見えます。
計画が甘かった。
確認不足だった。
スケジュールが無理だった。
それで説明がついたように感じます。
でも現場の中にいると違います。
営業はクライアントの事情を抱えています。
デザイナーは別案件を並行しています。
エンジニアはテスト環境で別の不具合を抱えています。
誰も怠けていない。
ただ優先順位とタイミングが少しずつズレていく。
そのズレが重なって、ある日表に出る。
僕はそのズレの流れを知りたくなります。
単なる興味ではなく、次の踏ん張りどころを探すためです。
似た空気を感じたときに、少しでも早く動けるようにしたい。
だから裏側が気になる。
「なぜ」より「どう広がったか」
最近は、「なぜ起きたか」よりも「どう広がったか」のほうが面白いと思っています。
最初のミスは案外小さいです。
一文の読み違い。
確認の一往復が抜けただけ。
優先順位の入れ替え。
問題はそこからです。
誰が最初に違和感を持ったのか。
その人は声を出せたのか。
出したけど軽く流されたのか。
言うタイミングを失ったのか。
この広がり方を知ると、現場の癖が見えてきます。
遠慮が強い現場か。
スピード優先で確認が薄くなりがちな現場か。
報告が上に上がりにくい構造か。
そこが分かると、次の一手が見えてきます。
僕は新人の頃、ここがまったく見えていませんでした。
トラブルが起きると、誰かのミスだと思っていました。
でも経験を重ねるうちに分かります。
トラブルは個人よりも流れでできています。
だから裏側を知りたい。
そこに本質があります。
好奇心は、仕事の燃料
Webの仕事って楽しそうだよね、と言われることがあります。
クリエイティブだから。
トレンドがあるから。
華やかだから。
確かにそういう側面もあります。
でも僕が面白いと思っているのは、流れを読むことです。
人の判断がどう重なったか。
空気がどこで変わったか。
議事録に残らないニュアンスが、どう結果に影響したか。
トラブルも含めて、全部が観察対象です。
しんどい場面でも、「この流れ覚えとこ」と思っている自分がいます。
それは少し変かもしれません。
でもこの好奇心があるから、ただのストレスで終わらない。
もし好奇心がなければ、トラブルはただの消耗です。
でも「なんでやろ」と思えると、少しだけ前に進めます。
完全に解決できなくても、理解に近づく。
それが次の現場で効いてきます。
知りたくてたまらないのは、悪いことではない
僕はこれからも、トラブルの話を聞いたら裏側を想像します。
止められないと思います。
でもそれで誰かを責めるわけではありません。
ただ流れを知りたいだけです。
裏側を知りたい。
構造を見たい。
流れを読みたい。
その気持ちがある限り、この仕事はたぶん面白いままです。
Webの仕事をしている人は、だいたい好奇心でできています。
派手なところよりも、裏側が気になる。
完成よりも過程が気になる。
その少し厄介な癖が、現場を支えていることもある。
だから僕は、今日もつい聞いてしまいます。
「で、実際どうやったん?」と。
それが、僕の原動力です。

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