年度末の現場は、独特の空気があります。
やることは多い。
スケジュールは詰まっている。
誰も止まりたくない。
なのに、不思議と会議は増えます。
確認も増えます。
「それって最終的にどうなればOKでしたっけ?」という質問も増えます。
私は毎年、この時期になると一つだけ意識していることがあります。
それは、ゴールを一行で言えるようにしておくことです。
資料を分厚くする話ではありません。
KPIを増やす話でもありません。
むしろ逆です。
忙しくなるほど、目的が長文化します。
説明が増えます。
その結果、ゴールがぼやけます。
年度末は、スピードが求められる時期です。
だからこそ、先にやっておくと楽になることがあります。
それが、「ゴールを一行にする」です。
年度末は 目的が伸びる
年度末の現場あるあるの一つは、ゴールがやたらと長くなることです。
「今期の振り返りも兼ねつつ、来期につながる導線を意識しながら、既存顧客のエンゲージメントも高めて、なおかつコストは抑えたい」
分かります。
全部大事です。
全部やりたい。
でも、この状態で進めると、だいたいどこかで迷子になります。
なぜなら、現場の判断基準が増えすぎるからです。
優先順位が揺れます。
解釈が分かれます。
「それも大事だよね」で止まります。
年度末は忙しいからこそ、全員が早く決めたい。
でも、ゴールが長いと、決められない。
ここで効いてくるのが、「一行」です。
一行にすると 余計な議論が減る
私がよくやるのは、会議前にこう自問することです。
「この案件、結局どうなったら成功なんだっけ?」
それを一行にします。
売上を上げる。
申込数を増やす。
リニューアルを完了させる。
テストを回し切る。
シンプルに言い切る。
最初は怖いです。
抜けている要素がある気がします。
でも、一行にすると、判断が早くなります。
それは本当にゴールに近づく話か。
それは今やる話か。
それは来期に回してもいいか。
年度末は、取捨選択の連続です。
一行があると、迷いが減ります。
コラムのふりをしたHOWTO
ここで少し、実際に私がやった話をします。
ある年度末、複数案件が同時に走っていました。
どれも「今期の成果に関わる」という扱いで、どれも重要に見える状態でした。
会議では、「これもやったほうがいい」「せっかくだからここも直そう」という話が増えます。
誰も間違っていません。
でも、決定が遅くなる。
そのとき、私は会議中に宣言したわけではありません。
まず自分の手元のメモに、一行を書きました。
「この案件は、今期中にリニューアルを完了させる」
売上向上やブランド強化といった言葉は、いったん横に置きました。
今期中に完了させる、だけ。
その一行を前提にして、会議でこう聞きました。
「これって、今期中の完了に必須ですか?」
「ここは来期に回しても問題ないですか?」
いきなり方向を変えるのではなく、
一行を“問い”に変えて出す。
すると、空気が少し変わります。
「それは今期じゃなくてもいいですね」
「ここは最低限でいきましょう」
やらないことが自然に決まっていきました。
やったことはシンプルです。
- 会議前に、自分だけの一行を作る。
- それをそのまま宣言しない。
- 一行を基準に、問いかけに変えて出す。
- 迷ったら、また一行に戻る。
結果として、リニューアルは予定通り完了しました。
全部を触らなかったからこそ、終わらせられた。
年度末は全部やりたくなります。
だからこそ、全部を抱えないための一行を、自分の中に持っておく。
いきなり掲げなくていい。
まずは、自分のノートに書くだけでいい。
それでも十分、効きます。
曖昧なまま走ると 消耗する
ゴールが曖昧なまま年度末に突入すると、何が起きるか。
全部正解に見えます。
全部やるべきに見えます。
結果として、全部中途半端になります。
私は過去に、一行を作らないまま年度末を走ったことがあります。
途中で、判断が揺れました。
優先順位が変わりました。
説明が増えました。
作業量より、説明量のほうが疲れました。
それ以来、年度末は必ず、一行を作ります。
資料には書かなくてもいい。
共有しなくてもいい。
でも、自分の中では決めておく。
それだけで、だいぶ違います。
まだ間に合う
年度末は、もう始まっています。
でも、まだ間に合います。
今から大きな計画を立て直す必要はありません。
全部を整える必要もありません。
一行を決めるだけでいい。
「この案件は、これを達成する」
と、言い切れる状態にする。
それだけで、現場の動きは揃います。
楽しげに言っていますが、これは本気で効きます。
年度末は忙しい。
だからこそ、先にやっておくべきことは、シンプルでいい。
ゴールを一行で言えるようにしておく。
それだけで、意外とちゃんと走り切れます。

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