「ITベンチャーなのに服装で怒られるのはなぜ?」自由ってどこまで自由?
10人からEMIさんへ
林 颯真
EMIさんの違和感は、かなりまっとうです。
「自由な会社だと思って入ったのに、自由じゃなかった」
「しかも理由がよく分からない」
この2つが重なると、人は強くストレスを感じます。
ただ、今回の話を整理すると、
問題は「服装のルール」ではありません。
“信用によって許される幅が変わる”という構造が、言語化されていないこと。
ここが本質です。
多くの現場では、
明文化されたドレスコードがあるわけではなく、
「この人なら大丈夫」という信頼の上で、個性が許容されています。
逆に言うと、
まだ評価が固まっていない段階では、
その“個性”がリスクとして見られることもある。
これは正しい・間違っているというより、
組織としての自然な反応です。
だからこそ、いま必要なのは
「自由を主張すること」ではなく、
“この会社の許容ラインを見つけること”です。
一度きちんと基準を確認して、
その中で自分のスタイルを少しずつ広げていく。
遠回りに見えて、これが一番ストレスが少ないやり方です。
そして、覚えておいてほしいのは、
自由は最初から与えられるものではなく、
あとから取りにいけるものだということ。
EMIさんは間違っていません。
ただ、順番を少し変えるだけで、かなり楽になると思います。
山本 莉央
EMIさんの文章からは、
「納得できないまま従っている苦しさ」が伝わってきました。
これはとてもよくわかります。
人は、「ルール」そのものよりも、
“理由がわからない状態”に強いストレスを感じるからです。
今回のケースでつらいのは、
・具体的に何がNGなのか分からない
・先輩との違いも説明されない
・自分だけが修正を求められているように感じる
このあたりが重なっていることだと思います。
ただ一方で、現場の構造としては、
編集長が言っていたように、
「見た目によるマイナスをリカバリーできるかどうか」
という観点があるのも事実です。
つまり、
自由と責任がセットになっている状態です。
EMIさんにおすすめしたいのは、
まず「納得すること」をゴールにしないことです。
代わりに、
・どういう基準で判断されているのか
・どこまでなら許容されるのか
これを具体的に聞いてみてください。
その上で、自分の中で折り合いをつける。
納得できるかどうかは、そのあとでも遅くありません。
無理に飲み込む必要はありませんが、
理解しないまま戦うのは、もっと消耗します。
EMIさんは、ちゃんと考えられている人です。
その姿勢は、必ず強みになります。
西田 悠
EMIさんな、
そのモヤモヤ、めっちゃ普通やで。
「なんで自分だけあかんの?」ってなるよな。
でもな、現場ってほんまに
“同じことしてるように見えて、同じ扱いじゃない”ってこと、ようあるんよ。
これ、理不尽に見えるけど、
中身はだいたい「信用の差」や。
たとえばやけど、
同じ服でも
「この人なら大丈夫やろ」って思われる人と、
「ちょっと不安やな」って思われる人で、
見え方が変わる。
これな、正しいかどうかは置いといて、
実際そうなってる。
で、ここで無理して戦うとしんどい。
俺やったらな、
いったん寄せる。
ちょっとだけ大人しめにして、
まず「この人ちゃんとしてるな」って思わせる。
そっからや。
ちょっとずつ崩していく。
最初から全部通そうとすると、
余計に目つけられるだけやで。
あと、聞くのは全然アリや。
「どこがラインなんですか?」って。
ケンカ腰じゃなくてな。
EMIさん、別に間違ってへん。
ただ、戦う場所だけ間違えんようにな。
武 流星
EMIさんの状況って、
かなり典型的な「若手のつまずきポイント」だと思う。
だからこそ、ちょっとドライに言うね。
これは「自由かどうか」の問題じゃない。
“コントロールできる範囲をどこまで持てているか”の問題。
会社って、外に対して責任を持ってる。
そのときに、
「この人にどこまで任せていいか」を常に見てる。
服装もその一部。
だから、
同じ服でも評価が違うのは普通に起きる。
納得いかない気持ちは分かるけど、
ここで感情でぶつかると損する。
おすすめはシンプルで、
- 一回ルールを聞く
- 最低限は合わせる
- 信頼を取りにいく
この順番。
で、信頼が乗ってきたら、
そのときにまた少しずつ自分のスタイルを出せばいい。
あと、「パワハラかも」って思う気持ちも分かる。
でも今回のケースは、
たぶんパワハラじゃなくて、
説明不足と配慮不足。
ここを分けて考えたほうがいい。
EMIさんは、ちゃんと考えすぎるくらい考えてる。
だからこそ、ちょっとだけ戦略的になろう。
それだけで、かなり楽になると思う。
村上 駿
EMIさん、めっちゃええとこ気づいてると思うで。
「なんで先輩はよくて自分はダメなん?」って、
そら思うやん。
でもな、それな。
だいたい理由あるねんけど、
ちゃんと説明されへんだけやねん。
ほんで、その説明されへんやつを、
こっちが勝手に「理不尽や!」って受け取ると、
余計しんどくなる。
だからな、俺やったらこうする。
まず一回、「OKラインどこなんですか?」って聞く。
で、その範囲でちょっとだけ寄せる。
でも、全部は捨てへん。
ほんで、仕事で信頼取る。
そしたらな、不思議と
「あ、そのくらいならいいよ」ってなるで。
これ、ほんまや。
あと一個だけ言わせてな。
服で戦うより、
仕事で勝ったほうが楽やで。
これだけ覚えといて。
高橋 颯人
この問題を分解すると、3つのレイヤーがあります。
- 服装の印象(主観)
- 組織としてのリスク管理
- 個人への信頼度
EMIさんが違和感を感じているのは、
この3つが混ざったまま説明されているからです。
特に「派手かどうか」は完全に主観です。
だからこそ、個人差が出る。
そして企業側は、
その主観的なリスクを最小化しようとする。
結果として、
「信頼できる人には許容」
「不確定な人には制限」
という運用になります。
合理的かどうかは別として、
構造としてはよくある形です。
EMIさんにとって重要なのは、
この構造を理解した上で、
・どこまで合わせるか
・どこから自分を出すか
を自分で決めることです。
感情だけで判断すると消耗しますが、
構造として捉えると、選択肢が見えてきます。
小川 紗英
この問題は「服装」ではなく、
“印象設計のコントロール権”の話だと思います。
企業は、対外的な印象を一定レベルで保とうとします。
そのために、個人の表現を一部制限することがある。
ただ、その制限がどこまでかは、
明確に設計されていないことが多い。
結果として、
人によって判断がブレる。
EMIさんの違和感は、ここにあります。
解決策としては、
・判断基準を言語化してもらう
・自分の中でも許容ラインを決める
この2つです。
そしてもう一つ。
「自由に見える人」は、
無制限に自由なわけではなく、
リスクをコントロールできている人です。
そこに到達するまでのプロセスとして、
今の状況を捉えると、少し楽になると思います。
出口 夕紀
EMIさんの相談を読んで、
「ちゃんと自分の感覚を大切にしている方だな」と感じました。
違和感をそのままにしないこと。
これはとても大切です。
ただ、その違和感の扱い方には、
少しコツがあります。
すぐに「正しい・間違い」に分けるのではなく、
まずは「なぜそうなっているのか」を理解する。
今回のケースで言えば、
・なぜ先輩は許されているのか
・なぜ自分は注意されたのか
この差を観察することです。
その上で、
自分はどこまで合わせるのか
どこは譲らないのか
を選んでいく。
EMIさんには、その選択ができる力があります。
焦らず、でも自分を見失わずに。
そのバランスを大切にしてほしいです。
中村 海斗
“同じことをしているのに、違う扱いをされる”。
この違和感は、とてもよく分かります。
ただ、組織の中では、
「同じ行動」よりも「その人の前提」で判断されることが多いです。
経験、実績、信頼、役割。
それらが重なって、
「この人なら大丈夫」という許容が生まれる。
僕はこれを知ってから、
少し考え方が変わりました。
「どうして同じ扱いじゃないんだろう」ではなく、
「どうすればその前提に近づけるだろう」と考えるようになった。
そのほうが、自分でコントロールできる部分が増えるからです。
EMIさんの状況では、
いったん少し引く、という選択も有効だと思います。
ただし、それは諦めではなく、
タイミングを選ぶための一歩です。
自分のスタイルを捨てる必要はありません。
ただ、出す順番は選べる。
それだけで、見える景色はかなり変わると思います。
編集部より
EMIさん。
「自由だと思っていたのに、自由じゃなかった」
その違和感は、とても自然です。
ただ、今回の話は
“自由かどうか”ではなく、
“どのタイミングで、どこまで許されるか”の話でした。
少しだけ寄せる。
ちゃんと基準を聞く。
信頼を積み上げる。
その先に、ちゃんと自由はあります。
どうか、焦らずに。
そして今回のQ&Aでは、初めて編集長が座談会に参加しました。
収録後に改めて話を聞いてみたところ、
「ジェネレーションギャップが正直あるんだけどね。
ライター陣が“派手かどうか”に引っかかっていたのが面白かったね。
同じ相談を読んでても、どこを切り取るかが全然違う。
FIELD NOTEの年上チームとして言うなら、“とはいえ会社だからね”ってことだねー」
と、少し笑いながら話していました。
視点の違いも含めて、このQ&Aを楽しんでもらえたら嬉しいです。

