会議中。
「これ、影響出ませんか?」
ちょっとした沈黙のあとに出る一言。
「おそらくいけます。」
……これ、言ったことある人、だいたい同じ顔してると思います。
ちょっとだけ考えてる感出して、でも断言はしないやつ。
便利なんですよね。
でも、あとから振り返るとだいたいこう思うんです。
「それ、一番あかんやつやったな。」
今日はこの“軽い一言が一番燃える”話です。
笑いながら読めるけど、だいたい身に覚えがあるやつ。
目次
若手のころ、「おそらくいけます」はちょうどよかった
ディレクターなりたてのころ、この言葉めちゃくちゃ使ってました。
「いけます」と言い切るほどの自信はない。
でも「わかりません」とも言いたくない。
「無理です」なんてもっと言えない。
その間にある、ちょうどいい場所。
それが「おそらくいけます」。
しかも、ちょっと賢そうに聞こえる。
「たぶん」より、ちゃんと考えてる感じがする。
なんなら、自分でも「いいこと言ってるな」と思ってました。
今思うと、だいぶ危ない橋の上でバランス取ってます。
「おそらくいけます」で燃えた話、だいたいこうなる
これ、実際にあった話です。
トップページの余白を少し調整する案件。
いわゆる軽い修正。
会議で聞かれました。
「これ、他ページに影響出ませんか?」
デザイナーが答えました。
「おそらくいけます。」
その場の空気、だいたいこんな感じです。
「まあ、いけそうやな。」
で、GO。
何が起きたか。
・SPでボタンが2行に折り返し
・下層ページのカードレイアウトがズレる
・CMSのテンプレートで余白崩壊
全部、じわっと影響出てました。
しかも、公開前日の夜に発覚。
現場の空気、完全にこれです。
「……あれ?」
で、ここが一番やっかいなんですけど、
誰も責められない。
なぜなら、
「おそらく」って言ってるから。
断言してない。
でも、判断は進んでる。
この状態、めちゃくちゃ燃えやすいです。
「おそらくいけます」の中身、だいたいこれ
あとから冷静に整理すると、構造はシンプルでした。
そのときの“いけます”は、
・今見てる画面はいけてる
・でも他ページは見てない
・コンポーネントの影響範囲は知らない
つまりこうです。
「見えてる範囲ではいけてる気がする」
これを、「おそらくいけます」で包んでる。
この言葉、ほんまに便利です。
・否定しなくていい
・断言もしなくていい
・なんか考えてる感じ出る
でもディレクターからすると、めちゃくちゃ困る。
どこまで確認してるのか、全然わからないから。
僕はこの状態を見ると、だいたいこう思います。
「いや、“おそらく”の中身どこやねん。」
現場ではこうズレる
この「おそらくいけます」が積み重なると、プロジェクトはこうなります。
・影響範囲がふわっとする
・誰も全体を見ていない
・でも全員なんとなく大丈夫だと思っている
一番怖いやつです。
僕が巻き取りに入った案件で、こんなことがありました。
3人に同じ質問をしたんです。
「ここ、問題ないですか?」
返ってきた答えがこれ。
「おそらく大丈夫です。」
「多分いけると思います。」
「まあ大丈夫かと。」
全員、ニュアンス違いの“いけそう”。
逆にすごい。
で、全部影響出てました。
このとき思いました。
“なんとなく大丈夫”が3つ揃うと、ちゃんと事故になる。
「おそらく」は悪くない、使いどころが違う
ここはちゃんと整理しておきます。
「おそらく」自体は悪い言葉じゃないです。
英語でいうと「probably」。
確度は高いけど、100%ではない状態。
使うべき場面はあります。
・仮説を出すとき
・予測を共有するとき
・不確実性を説明するとき
これは正しい使い方。
でも現場で使われる「おそらくいけます」は、ちょっと違う。
だいたいこれです。
確認してないけど、いけそうな気がする。
このズレが、地味に効いてきます。
今の僕はどうしているか
今の僕は、「おそらくいけます」をそのまま使いません。
代わりにやるのはこれです。
分解する。
「この画面は確認済みで問題ありません。」
「ただし、他ページは未確認です。」
「コンポーネント影響は確認します。」
ちょっと長いです。
でも、どこまでOKかがわかる。
ポイントはシンプルです。
・確認済み
・未確認
・リスク
これを分けるだけ。
“おそらく”の中身を外に出す。
これだけで、現場の事故率はかなり下がります。
今日からどうする?
やることは一つです。
「おそらく」を見つけたら止まる。
そして聞く。
「どこまで確認してますか?」
「未確認はどこですか?」
「誰が最終で見ますか?」
これだけでいいです。
僕も今でも、たまに言いそうになります。
「おそらくいけます。」
そのとき、ちょっとだけ止まる。
「いや、それ、どこまでいけてるん?」
心の中でツッコむ。
ディレクターって、全部知ってる必要はないです。
でも、曖昧なまま流さないことはできる。
「おそらくいけます」は、便利です。
でも、ちゃんと分解しないとだいたい燃える。
まあ、たまに言っちゃうんですけどね。
そのときは、だいたい後からちゃんと回収する羽目になります。
それも含めて、現場です。

300300-150x150.png)


