12月の終わり、現場は少し静けさを取り戻し、慌ただしい一年の余韻がようやく落ち着きはじめます。
スケジュールに追われ続けてきた身体も、ようやく呼吸が整い、
「今年もなんとか走り切った」という安堵が広がる時期かもしれません。
仕事納め直前のこのタイミングは、
“来年の自分をラクにする準備” をするのに最適です。
進行管理は、日々の判断の積み重ねの上に成り立つ仕事です。
だからこそ、優先順位の立て方を見直すだけで、
来年の進行は驚くほどスムーズになります。
今回のテーマは、
“優先順位をどう立て直すか”という、進行管理の基礎を来年仕様に再設計すること。
単なる効率化ではなく、自分の判断の癖を整え、チームの動きと結び直す視点を扱います。
後半のコラムでは、私自身が年末に優先順位を見直したことで、
翌年の働き方がどれほど軽くなったかを実体験としてお届けします。
目次
優先順位を“来年仕様”にアップデートする 3つの再設計ポイント
1. 「作業」ではなく「流れ」で優先順位を立てる
若手の頃は、どうしてもタスクベースで優先順位を考えがちです。
- 期限が近いもの
- 時間がかかりそうなもの
- 今すぐ対応できるもの
こういった“作業の性質”に引っ張られてしまうと、
優先順位は毎回揺れてしまい、チームの動きと噛み合わなくなります。
来年に向けて見直したいのは、
優先順位を「流れ」で判断する」という視点です。
流れで判断すると、基準はこう変わります。
- どの工程が次の工程を待たせているか
- 自分の判断を待っている人は誰か
- このタスクが止まると、どのラインが止まるのか
- 今日の流れと明日の流れがどうつながるのか
タスクに向き合うのではなく、
プロジェクトの呼吸に沿って優先順位を決める。
それだけで、作業の順番が自然と決まり、
「急ぎ対応が重なると混乱する」という状況が減っていきます。
来年の進行管理を軽くしたいなら、
“流れを基準にした優先順位” へと再設計することが第一歩です。
2. 優先順位の“並べ替え”を前提にする 固定ではなく、揺れることを許可する
今年、多くの読者が感じていたのは、
「優先順位をつけても、すぐに崩れてしまう」
という悩みだったのではないでしょうか。
しかし実際には、優先順位が崩れること自体は問題ではありません。
むしろ進行管理とは、
優先順位が揺れる前提で動く仕事です。
来年に向けて準備したいのは、
“並べ替えを前提にした優先順位” へと発想を切り替えること。
そのために必要なのは次の三つです。
- 優先順位を朝・昼・夕方で最低3回見直す習慣をつける
- 並べ替えの基準を「影響範囲 × 流れ」に統一する
- 順番が変わった理由を短く言語化して共有する
優先順位を固定したまま抱え込むと、現場はすぐに詰まります。
でも、優先順位が揺れることを許し、揺れに合わせて静かに整えていくと、
チームの動きは安定し、あなた自身の進行管理も軽くなります。
来年は、
“優先順位が変わることは悪いことではない”
という前提を持って進みたいところです。
3. “自分の判断をどう伝えるか” を見直す 共有の質が優先順位を決める
優先順位を立てる力があっても、
それがチームと揃わなければ、現場では機能しません。
来年に向けて最も見直したいのは、
“判断理由をどう共有するか”という部分です。
共有のポイントは三つ。
1)誰に一番影響が出るかを見て、最初にその人へ伝える
2)判断の理由を短く添える(長くしない)
3)後回しにする作業も明示する(曖昧にしない)
優先順位は、自分の中にある間はただのメモです。
チームと揃った瞬間に、初めて“機能する情報”になります。
来年は、
“優先順位を立てる力 × 優先順位を揃える力”
この二つをそろえて進みたい一年です。
年末に優先順位を見直しただけで、翌年が驚くほど軽くなった話
以前の私は、12月の後半になると疲れ切っていて、
「とにかく仕事納めを迎えたい」という気持ちばかりが先に立っていました。
優先順位の見直しも十分にできず、
「来年はもっと落ち着いて進めたい」という願いだけを抱えたまま年を越す。
そんな年もありました。
しかしある年の年末、私は初めて、
“優先順位の立て方を棚卸しする”
という作業をしました。
具体的には次のことを行いました。
- 今年どんな場面で優先順位が崩れたかを書き出す
- その時どんな判断をしたのか、理由を言語化する
- 崩れた原因が「共有不足」なのか「見通し不足」なのかを分類する
- 来年、優先順位の基準をどう変えるかを整理する
ただこれだけの作業でしたが、
不思議なことに、翌年の働き方が見違えるほど軽くなりました。
その理由はとてもシンプルで、
「優先順位を作る自分の癖」が整理されたから でした。
私は、
- 急ぎ依頼に気を取られやすい
- 影響範囲の広いタスクを後回しにしてしまう
- 判断理由を共有し忘れがち
- 流れではなくタスク単位で優先順位をつけてしまう
という癖があったのです。
それを年末の静かな時間で見直したことで、
翌年は迷いが減り、判断が落ち着き、
チームとのやりとりも自然とスムーズになっていきました。
優先順位の見直しは、
大きな改革でも、派手な改善でもありません。
ただ静かに、自分の判断の癖を整える行為です。
そして、この整える時間こそが、
来年の自分を支えてくれる“仕込み”になります。

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