「今日は予定通り進みましたね」。
この一言を聞くと、ちょっとだけ心の中で思うことがあります。
それは、「それ、たまたまじゃないんです」という気持ちです。
Webの現場で、何も起きずにスケジュール通り進む日は、実はあまり多くありません。
細かい修正が入ったり。
確認が少し遅れたり。
思っていたより工数がかかったり。
それでも、表向きは「予定通り」に見える日がある。
今回は、その日の裏側にある、よくある話を一つだけします。
すごい工夫の話でも、根性論でもありません。
ただ、現場ではこうしてるよ、という話です。
「何もなかった日」の裏で起きていたこと
ある日のことです。
進行表を見返すと、すべてが予定通りに終わっていました。
初稿提出。
確認。
修正。
次工程への引き渡し。
数字だけ見ると、とてもきれいです。
トラブルも遅延も、特に記録には残っていません。
でも、その日の実情は、こんな感じでした。
午前中に、確認予定だった人が急遽対応できなくなりました。
その時点で、予定は一度崩れています。
ただ、そのまま「遅れます」とはしませんでした。
代わりに、別の確認者に声をかけました。
全体確認ではなく、論点だけを絞って見てもらう形に切り替えました。
細かいところは後回しにして、進行に影響する部分だけ先に判断をもらいました。
午後には、デザイン修正が少し膨らみました。
想定より時間がかかりそうでした。
ここでも、予定を全部ずらすことはしませんでした。
修正内容を整理して、
「今日中に必要な修正」と「明日でも問題ない修正」に分けました。
今日中に必要なところだけを優先してもらいました。
結果として、進行表上はズレていません。
でも、裏では順番を入れ替えたり、範囲を調整したりしています。
外から見ると、「スケジュール通りにいった日」です。
中にいる側から見ると、「うまくやりくりした日」でした。
こういう日は、実は珍しくありません。
むしろ、よくあります。
なぜ「何もなかったように見える」のか
スケジュール通りにいった日ほど、「何もなかった感」が強くなります。
理由は単純です。
表に出す必要がなかったからです。
すべての調整を共有していたら、進行表はもっとごちゃごちゃします。
誰が代わりに見たか。
どこを後回しにしたか。
なぜその判断をしたか。
もちろん、必要なところでは共有します。
でも、毎回すべてを書き残すわけではありません。
その結果、「今日は特に問題なかったですね」という印象だけが残ります。
実際には、問題はあった。
ただ、進行に影響しない形に変えただけです。
これが、Webの現場あるあるです。
あるあるは、だいたい裏側にあります。
だから「予定通り」は成果じゃない
ここで勘違いされやすいのが、
「予定通りに進めることが成果」という考え方です。
実際には、
「予定通りに見せられたこと」が結果です。
そのために、いくつも小さな調整が入っています。
進行がうまくいっているときほど、
誰かが静かに順番を変えていたり。
負荷を分散していたり。
判断の粒度を変えていたりします。
それは、特別なスキルというほどのものではありません。
経験を重ねると、自然にやるようになることです。
だから、スケジュール通りにいった日は、
「何もなかった日」ではありません。
「何かをうまく裏で調整した日」です。
まあ、そういうもんです
Webの現場って、だいたいこんな感じです。
きれいな進行表の裏で、細かい調整が続いています。
それを毎回ドラマにすることもありません。
誰かに褒められることも、
表に名前が出ることも、
特にないかもしれません。
でも、そのおかげで、
「今日は予定通りでしたね」と言える日が生まれます。
もしこれから現場に入る人がいたら、
スケジュール通りにいっている現場を見て、
「すごいな」と思うかもしれません。
たぶん、それは合っています。
ただし理由は、見えている通りではありません。
裏でちょこちょこ動いている人がいる。
それだけの話です。
まあ、そういうもんです。

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