ディレクターズQ&A

「外国籍メンバーとのコミュニケーション」やさしい日本語は失礼?英語に切り替えるのは正解?

グローバル化、という言葉はもう珍しくありません。

事業会社でも制作会社でも、
国籍の違うメンバーと一緒に働くことは当たり前になりました。

語学力の問題ではない。
むしろ、流暢だからこそ難しい。

「ちゃんと伝わっているか?」
「配慮のつもりが失礼になっていないか?」

今回の相談は、そんな繊細な悩みです。

相談内容

事業会社でPM・ディレクターをしているMEGです。

私の会社では国籍を問わず雇用しており、日本語以外を母国語とする方も多く働いています。
現在JOINしているプロジェクトにも海外メンバーが複数います。

彼らは高い日本語能力があり、通常の会話ではまったく問題ありません。
ただ、MTGで上席が回りくどい日本語を使ったり、
込み入った作業依頼をしたりするときに、
ニュアンスまで正確に伝わっているか不安になることがあります。

少し面倒なときは英語に切り替えてしまうこともありますが、
簡単な日本語に言い換えたり、英語で説明し直したりすることが、
「バカにされている」と受け取られないか気になっています。

仕事としては、正確に伝わることが最優先ですが、
こうした場面ではどのように対応するのがよいのでしょうか。

★寄ってたかって座談会

「やさしい日本語は失礼?英語に切り替えるのはアリ?」


これ、めちゃくちゃわかるな。
“伝えたい”と“失礼じゃないか”の板挟みだよね。

まず確認したいのはさ、
MEGさんが不安になってるのって、
「能力を疑ってると思われないか?」ってことだよね?

山本


そうですね。
読んでいてそこが一番繊細なポイントだと感じました。

日本語能力が高いとわかっているからこそ、
あえて単純化することに迷いがある。

西田


でもな、日本人同士でもさ、
上の人の回りくどい日本語って普通に分からんときない?

俺、あるで。めちゃくちゃ。

村上


あるある(笑)
「結局どっちやねん」ってなるやつな。


それ、重要なポイントだと思う。
問題って“外国籍だから”じゃなくて、
そもそも日本語が曖昧ってケースもあるよね。

小川


そうなんですよね。
日本語のビジネス会話って、
主語が抜けたり、含みがあったり、
前提共有に依存していたりする。

それって言語の問題というより、
文化設計の問題かもしれません。

そもそも日本語が…?


つまりさ、
「外国籍メンバーにどうするか」じゃなくて、
「そもそも説明は明確か?」って話でもある?

高橋


僕はそこ分けて考えたいですね。

1つは、日本語の構造的な曖昧さ。
もう1つは、第二言語で仕事する負荷。

流暢に話せるのと、
複雑なニュアンスを瞬時に処理できるのは別問題。

出口


その通りですね。
“問題なく話せる”と
“誤解なく理解できる”は違います。

MEGさんは、そこを感じ取っている。

言い直すって失礼?

西田


ほなさ、
シンプルに言い直すのはアカンことなん?

山本


私はアリだと思います。

ただし、“簡単にする”というより
“再構築する”に近い感覚ですね。

村上


でもさ、
「簡単な日本語にしますね」って言われたら
ちょっとモヤっとせえへん?


あー、それは言い方だよね。

「念のため確認するね」とか
「一回整理するね」なら全然違う。

小川


そうですね。
“あなたのために簡単にします”だと上下が生まれる。
“全員のために整理します”なら対等。


あ、それ大事だ。

“誰かのため”にすると上下になる。
“チームのため”にすると設計になる。

英語に切り替えるか?

高橋


あと、英語に切り替える件。

あれ、どう思う?

西田


俺は全然アリやと思う。

でもな、
いきなり英語に変わると
「今の説明まずかった?」ってなる可能性はある。

村上


確かに。
英語にスイッチするなら
最初から言語ルール決めとくほうがええな。


そこなんだよね。

個人の気遣いで言語を変えると、
“その人だけ配慮されてる”構図になる。

でも、
「重要な仕様は英語併記します」とか
最初に決めれば、ただの運用。

出口


言語を個人の問題にしないこと。

それがポイントかもしれません。

確認することに迷いがあるかどうか

山本


あと、私が思ったのは、
確認の文化があるかどうか。

「今の説明どう?」と自然に聞ける空気があれば、
この悩みは減る気がします。


MEGさん、一人で背負ってないかな。

“ちゃんと伝わってるかな”って、
本来はチーム全体で考えることだよね。

西田


せやな。

MEGさんが優しいから悩んでるけど、
ほんまは上の人の回りくどい日本語のほうが問題ちゃう?って話もある。

村上


それな(笑)

小川


でも、そこで対立にしないのが大人ですよね。

結論。


結局さ、
「簡単な日本語=失礼」じゃない。

「意図が見えない単純化=失礼」なんだと思う。

出口


言葉そのものより、
どういう姿勢で伝えているか。

そこに戻りますね。


じゃあ一回整理するよ。

・伝わらないまま進むのは一番まずい
・単純化は悪ではない
・上下構造にならない言い方がある
・英語はチーム設計として決めるとよい

こんな感じ?

村上


うん、
あとは「確認は遠慮せんでええ」やな。

西田


せや。

遠慮より透明性や。


結論出す前にもう一個。

MEGさん、
悩めるってことはちゃんと相手を尊重してる。

そこはもう間違ってない。

(少し沈黙)

出口


そうですね。

この悩み自体が、
チームにとってプラスだと思います。

10人から一言ずつ。

林 颯真

MEGさんの悩みは、優しさから来ています。

でも覚えておいてほしいのは、
仕事の場では“明確さ”が最大のリスペクトだということ。

伝わらない状態を放置することのほうが、
結果的に相手の負担を増やします。

言い換えは失礼ではありません。
曖昧さこそが失礼です。

山本 莉央

相手を尊重したい気持ちは、そのままでいい。

ただ、その尊重は
“難しい言葉を使うこと”ではなく、
“理解の確認を丁寧にすること”に向けてください。

MEGさんは、すでに十分配慮しています。

自信を持ってください。

西田 悠

簡単な日本語使うんが失礼かも、って思う優しさはええ。

でもな、
分からんまま進むほうが、あとでめちゃくちゃしんどい。

俺はな、
「念のため確認な」って言う。

それでええ。

対等やで。

武 流星

俺は、チームで言語のルールを決めるのがいいと思う。

「重要な仕様は英語併記」
「MTG後は文章でまとめる」

個人の気遣いに頼らない仕組み。

MEGさん一人が悩む構造を、
そもそも作らない。

これが一番強い。

村上 駿

“バカにしてるって思われへんかな”って
そこまで考えてる時点で、
もう十分リスペクトあるやん。

ほんまに下に見てる人は、
そんなこと考えへんで。

自信持ってええ。

伝えることに遠慮せんでええ。

小川 紗英

シンプルな言葉を使うことは、
設計として正しい行為です。

多国籍チームは、
明確さが競争力になります。

MEGさんの視点は、
むしろチームの強みになるはずです。

出口 夕紀

誠実に伝えようとする姿勢は、必ず伝わります。

言葉そのものより、
意図が大切です。

配慮と明確さは両立できます。

中村 海斗

文化が混ざる環境では、
“透明なコミュニケーション”が最強です。

遠慮せず、
でも丁寧に。

それで十分です。

編集部からの返答

MEGさん。

悩んでいること自体が、
あなたが相手を尊重している証拠です。

シンプルに伝えることは、失礼ではありません。

明確さは、プロフェッショナルの態度です。

どうか自信を持ってください。

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投稿者

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Not For Sale編集部スタッフ