“軽い修正”が重くなる前に——ディレクターがやるべき確認3ステップ

はじめまして。Webディレクターの西田悠(にしだ ゆう)です。
元インハウスの制作現場で、スケジュール調整から撮影立ち会いまで、なんでもやってました。
この連載では、現場でリアルに起きる“あるあるトラブル”をどう乗り切るかをテーマに話していきます。

今回は、若手ディレクターが必ず一度はぶつかる壁。
そう、あの魔法の言葉——

「とりあえず、ちょっと修正だけお願いします」
です。

「とりあえず」の重みは、あとからやってくる

「とりあえず修正で」って、軽く聞こえますよね。
でも現場では、この“とりあえず”が一番重い。

たとえば、

文言を少し直すだけのはずが、デザインが崩れる。
画像を差し替えたら、他ページも連動して修正が必要になる。

こうして“軽いはずの修正”が、気づけば半日仕事に。
僕も何度か、夜中に「あの“ちょっと”がちっとも終わらない…」ってなりました。

「何を・どこまで」をすぐ確認する

まず最初にやるべきは、修正の範囲を言葉にすること

クライアントが言う「軽く」は、こちらの「軽く」と一致していないことが多いです。

たとえば、

「写真を変えるだけです」
→ 実際にはレイアウト崩れ・文言調整・レスポンシブ対応まで含まれていることも。

なので、まずは聞きます。

「差し替えは1点だけですか?」
「文言も一緒に修正しますか?」
「公開日などのスケジュールは変わりますか?」

“確認のひと手間”が、後の3倍の手戻りを防ぎます。

「優先度」を聞くクセをつける

修正依頼が重なってくると、すべてを同時に処理するのは不可能。
だからこそ、優先度を確認するのがディレクターの仕事です。

僕がよく使うフレーズはこれ。

「この修正、他の対応よりも先に出すべきですか?」

これだけで、クライアントも“考えるモード”に入ってくれます。
優先度が明確になると、チームも安心して動ける。
逆にここを聞き忘れると、「あれ、まだ出てないんですか?」の地雷が待っています。

「今後どうしたいか」を一度だけ聞く

“とりあえず修正”の中には、「方向性がまだ決まっていない」というサインが隠れています。

そういう時は、一歩引いてこう聞きます。

「今回の修正は、最終形に近づけたい感じですか?
それとも一旦の仮対応として進めましょうか?」

ここで“仮対応”だとわかれば、無理に完璧に仕上げる必要はありません。
逆に“最終形に近づけたい”なら、根本から調整すべき。

ディレクターが“修正の温度”を見極めることで、現場の混乱はぐっと減ります。


「とりあえず修正」は、どんな現場にもあります。
でも、“とりあえず”に飲まれないコツはあります。

  • 何を・どこまでを確認する
  • 優先度を聞く
  • 今後どうしたいかを確かめる

この3ステップだけで、対応の質が劇的に変わります。
修正依頼は敵ではなく、クライアントの“迷い”を一緒に整えるチャンス
肩の力を抜いて、会話の中で整理していきましょう。

ステップ行動効果
1. 範囲を確認する「どこまでやるか」を明文化手戻り防止
2. 優先度を確認する「どれを先に出すか」を決めるスケジュール安定
3. 今後の方向性を聞く“仮対応”か“最終形”かを確認判断ミスを防ぐ

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投稿者

西田 悠
西田 悠
元インハウスディレクター。制作現場で実際に走り回った経験をもとに、リアルな“現場視点”で記事を執筆。現場調整やクライアント対応、トラブル対応など、泥臭い部分も含めてディレクションの「本音」を語るのが持ち味。