Webの仕事をしている人は、だいたい好奇心でできていると思っています。
新しいツールが出れば触ってみたくなるし、他社サイトの導線を見れば分解したくなる。
でもそれ以上に、気になってしまうのが「人の気持ち」です。
このボタン、押しやすいかな。
この文言、ちょっと怖くないかな。
このページ、読んでいて疲れないかな。
誰に頼まれたわけでもないのに、つい考えてしまう。
しかも仕事だけでなく、日常でもです。
今日はその話をします。
「この人、今どう思ってるんだろう」と考えてしまう
打ち合わせ中、誰かが少し黙るとします。
ほんの数秒の沈黙です。
でも、なぜかそこに反応してしまう。
今の説明、伝わってないかな。
質問しづらい空気だったかな。
もしかして、前提がズレているかもしれない。
そうやって、勝手に想像が動きます。
頼まれてもいないのに、心の裏側を推測し始める。
そして気づけば、言い直したり、補足したりしている。
これ、たぶん職業病です。
でも悪い癖ではないと思っています。
Webの仕事は、画面の向こう側にいる人を想像する仕事だからです。
ユーザーは目の前にいません。
でも、確実に存在しています。
その人がどう感じるかを考え続けるのが、仕事の大半だったりします。
だから、現実の人間関係でも同じ回路が働いてしまう。
「あの人、ちょっと不安そうだな」とか、「今の言い方、刺さったかも」とか。
気づけば、気持ちを想像するのが当たり前になっています。
それは優しさというより、好奇心に近い
ここで少し誤解を解きたいのですが、これは必ずしも“優しさ”ではありません。
もちろん優しさもあると思います。
でもそれ以上に、「どう受け取られたんだろう?」という純粋な好奇心が強い。
この言葉は、どう響いたのか。
この構成は、どこで離脱されたのか。
この説明は、どの瞬間に理解されたのか。
データを見るのも好きです。
ヒートマップも眺めます。
でもその裏にある感情を想像するのが、いちばん面白い。
なぜそこでスクロールが止まったのか。
なぜそこで閉じたのか。
なぜそのタイミングで申し込みをしたのか。
数字の奥に人がいると想像する。
その瞬間、仕事が急に立体的になります。
ただのタスクが、物語に変わる。
だから、Webの仕事をしている人はだいたい楽しそうに見えるのだと思います。
やっていることは地味でも、頭の中はわりと忙しい。
常に誰かの気持ちを想像しているからです。
日常でも、つい分析してしまう
カフェに入っても、つい考えます。
このメニュー表、なぜこの順番なんだろう。
このポップ、ちょっと文字が多いな。
この色、安心感を出したいのかな。
そして同時に、店員さんの表情も見ている。
今ちょっと忙しそうだな、とか。
声のトーンが少し落ちているな、とか。
分析癖と言われれば、それまでです。
でも私は、これが嫌いではありません。
世界が少しだけ面白く見えるからです。
人の気持ちを考えるのが癖になると、
失敗も「なぜだろう」と観察対象になります。
怒られたときも、「何がズレたんだろう」と考える。
落ち込む前に、構造を見にいく。
もちろん、全部が正解ではありません。
想像は外れることもあります。
でも考え続けること自体が、仕事の土台になっている。
好奇心があるから、続いている
Webの仕事って楽しそう、と言われることがあります。
華やかに見える瞬間も、確かにあります。
でも実際は、地道な調整と仮説検証の繰り返しです。
それでも続いているのは、
「人はどう感じるんだろう」という問いが、ずっと面白いからだと思います。
誰かの気持ちを考える。
それはときに疲れます。
でも同時に、原動力にもなります。
このページを読んだ人はどう思うだろう。
この文章は重すぎないだろうか。
そんなことを考えながら書いています。
もしあなたが、つい人の気持ちを想像してしまうタイプなら。
それは弱さではなく、かなり強い武器かもしれません。
少なくとも、Webの世界では。
好奇心がある人は、伸びます。
完璧じゃなくてもいい。
技術がまだ足りなくてもいい。
「どう思ったかな」と考えられること。
それだけで、もうスタートラインには立っています。
人の気持ちを考えるのが、つい癖になる。
それは、仕事に向いているサインかもしれません。
まあ、考えすぎて疲れた日は、
今日は分析しない、と決めてもいいです。
それくらいの軽さで、ちょうどいい。
Webの仕事は、だいたい好奇心でできています。
そしてその好奇心は、ちゃんとあなたの味方です。

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