Webディレクターって、だいたいこんな感じ

“それって仕様?”が口ぐせになってしまった

最近、自分の口ぐせに気づきました。
業務外で「あれ?」と思ったときに、つい言ってしまうんです。

「それって仕様?」

コンビニのセルフレジがワンテンポ遅い。
カフェのWi-Fiがなぜか5分で切れる。
駅の案内表示が微妙にズレている。

そのたびに僕は、ほぼ反射で言います。
「それって仕様なの?」

別に文句を言いたいわけじゃないです。
責めたいわけでもないです。
ただ、構造が気になるだけです。

今回の全体テーマは「Webディレクターって、だいたいこんな感じ」。
いろんな書き手が、それぞれの“だいたい”を書いています。

僕は、Webディレクターってだいたいこんな感じだと思っています。
違和感が出たら、まず「設計だったのか?」と考える人種です。

「なんか変」より先に出てくる言葉

フロントエンドの人と話していると、共通点があります。

「なんか変だよね」より先に、「これって仕様?」が出る。

ボタンが押せるように見えるけど反応しない。
エラー表示が赤じゃなくてグレー。
フォームが途中でリセットされる。

普通の人は「壊れてる?」と言います。
僕らはまず「想定された挙動?」と聞きます。

ここが地味に違います。

壊れている前提に立たない。
まず誰かの判断があったのかを確認する。

経験上、バグよりも「そういう設計だった」ケースのほうが多いからです。

Webの現場ではだいたいこうです。

デザイン意図がある。
実装制約がある。
運用都合がある。

だから僕は違和感が出たら断定しません。
「意図はありますか?」と聞きます。

この一言で、議論は荒れません。
むしろ整理されます。

業務外でも止まらない観察癖

この癖、仕事以外でも止まりません。

スーパーのアプリでクーポンが自動適用されない。
動画配信サービスで再生位置が微妙にズレる。
家電のタッチパネルが長押し前提になっている。

そのたびに、「それは意図?」と考えてしまう。

これを面倒くさいと言われたこともあります。
まあ、わかります。

でも僕はこれがディレクターの特徴だと思っています。

Webディレクターって、だいたいこんな感じだと僕は思っています。

流れが止まると気になる。
不自然な挙動を見ると設計を疑う。
「なぜ?」を放置できない。

ただし、ここで線を引きます。

全部を直そうとしなくていいです。
全部を自分の責任にしなくていいです。

観察はする。
でも抱え込まない。

そこまでやらなくて大丈夫です。

「仕様?」は議論のレイヤーを上げる

「それって仕様?」という言葉は、実は便利です。

この一言で、話が感想レベルから設計レベルに戻ります。

クライアントが「なんか使いづらい」と言ったとき、
そのまま「直します」と言うと沼に入ります。

僕はこう聞きます。

「それは想定通りの動きですか?」

この一文、普通にコピペで使えます。

想定通りなら、理由を説明する。
想定外なら、修正対象にする。

線が引けます。

ディレクターの仕事は、感想をそのまま受け取らないことだと僕は思っています。
一度、構造に戻す。

なぜそうなっているのか。
誰が決めたのか。
変えたらどこに影響するのか。

ここに戻せる人がいると、現場は安定します。

止まりかけた瞬間にやること

Yes/No待ちで止まる。
「これでいいですか?」の返信が来ない。
実装が止まる。

よくあります。

そのとき僕がやるのは、わりと単純です。

「既存仕様ベースで進めますね」

つまり、合意済みの範囲で前に進める。

新しい希望があれば追加。
なければそのまま。

待ち続けなくていいです。
詰めなくてもいいです。
基準を示して動かすだけで十分です。

Webディレクターって、僕はだいたいこういう人だと思っています。
止まるのが嫌い。
でも感情で押さない。

基準で進める。

技術を特別扱いしない

「仕様?」と聞く人は、技術を神格化しません。

すごく高度なものとか、難解で触れてはいけないものとか、ブラックボックスの塊だとは考えていません。

仕様は人が決めたものです。
実装は人が作ったものです。

だから聞いていいです。
「意図は何ですか?」と。

全部を理解しなくていいです。
全部を追いかけなくていいです。

でも境界線だけは把握する。

どこまでが決定済みか。
どこからが未定か。

そこまでわかっていれば十分です。

僕の思う「だいたいこんな感じ」

このサイトは多くの書き手で続いてきました。
400本を超える記事の中で、それぞれが違う“ディレクター像”を書いています。

その中で、僕が思うWebディレクター像はこうです。

違和感を放置しない人。
感情より構造を見る人。
曖昧さをそのままにしない人。

そして、全部は抱えない人。

「それって仕様?」という口ぐせは、たぶんその象徴です。

責めるための言葉ではない。
整理するための言葉です。

今すぐできる一手

次に違和感が出たら、こう言ってみてください。

「それって想定内ですか?」

仕様と言わなくてもいいです。
想定で十分です。

これだけで、議論は柔らかくなります。
責めていない。
でも確認している。

ちょうどいい距離感です。

僕は、Webディレクターってだいたいこんな感じだと思っています。

観察する。
構造に戻す。
線を引く。

そして最後は、まあそういう設計か、で終わる。

それくらいがちょうどいいです。

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投稿者

林 颯真
林 颯真
フロント寄りの技術に強いテクニカルディレクター。
実装やCMSの仕組みを、現場視点でわかりやすく翻訳するのが得意。
エンジニアとチームの橋渡し役として、実務の整理に力を発揮する。