Webディレクターって、だいたいこんな感じ。
そう言われたときに、私は少し笑ってしまいます。
たぶん私たちは、仕事とプライベートの境界が、わりと曖昧な人種です。
案件では毎日スケジュールを引いて、タスクを整理して、関係者の足並みを揃えていきます。
「全体が回るかどうか」をずっと考えている仕事です。
だからなのか、気がつくと、休日まで回している。
旅行の計画を立てるときも、家族との食事会を決めるときも、ちょっとした集まりを調整するときも。
頭のどこかで、WBSが立ち上がります。
今日は、そんな私の日常の話です。
でも、ただの雑談では終わらせません。
共感しながら読んでいただいて、「ああ、あるある」と笑いながら。
最後には、少しだけ自分の現場が楽になる視点を持ち帰ってもらえたらうれしいです。
FIELD NOTEの記事が400本を超えた今だからこそ。
あらためて、「Webディレクターって、だいたいこんな感じ」を、少しだけ解像度高くお届けします。
目次
現場の空気を整えるのが、私の仕事です
私は普段、制作会社で進行管理とチーム設計を担当しています。
企画の初期設計から入り、ゴールを整理し、関係者をつなぎ、スケジュールを引きます。
タスクの優先順位を決め、誰がどこまで持つのかを明確にして、詰まりが出そうな箇所を先にほぐしておく。
いわば、現場の空気を整える仕事です。
案件が大きくなればなるほど、個々のスキルよりも「流れ」が大事になります。
優秀な人がいても、流れが整っていないと、チームは疲弊します。
だから私は、いつも全体を俯瞰しています。
どこが滞りそうか。
誰が今ちょっと忙しそうか。
このまま行くと、どのタイミングで焦りが出るか。
その癖が、プライベートでも抜けません。
旅行は、だいたいプロジェクトになります
たとえば旅行。
私は、旅行に行くとき、必ず資料を作ります。
日程表。
移動経路。
所要時間。
予約情報。
候補レストラン。
Googleマップのリンク。
しかもそれを、同行者に共有します。
「当日慌てないためにね」と言いながら。
正直に言うと、誰にも頼まれていません。
でも作ってしまう。
それを見た友人に、「仕事みたい」と笑われたことがあります。
たしかにそうです。
でも、私は知っているのです。
準備をしておくと、当日の空気が穏やかになることを。
焦りが減る。
無言のストレスが減る。
「どうする?」の回数が減る。
私は、旅行を成功させたいのではなく、旅行中の空気を整えたいのだと思います。
これ、Webディレクターあるあるではないでしょうか。
日常も、ついタスクに分解してしまう
家族との予定調整。
週末の買い出し。
ちょっとしたホームパーティ。
自然とタスクに分解しています。
・場所決定
・日程確定
・参加者連絡
・役割分担
・当日の持ち物
頭の中で軽くチェックリストが動きます。
そして、誰かが少し曖昧な返事をすると、「一旦仮で決めようか」と言ってしまう。
これ、仕事でやっていることそのままです。
でも最近、少しだけ意識していることがあります。
全部を自分が回さなくていい、ということです。
ディレクターは、回せる人です。
でも、回せるからといって、全部回す必要はない。
プライベートでは、あえて“詰まり”を残してみる。
あえて余白を作る。
たとえば旅行資料。
以前は分刻みで組んでいました。
今は午前・午後くらいの粒度にしています。
完璧なスケジュールより、余白のあるスケジュールの方が、記憶に残ると気づいたからです。
管理の粒度を下げると、現場は楽になります
仕事でも同じです。
年度末。
詰まりやすい時期です。
タスクが増え、確認が重なり、スケジュールが圧縮される。
そんなときこそ、「全部管理しよう」としない。
むしろ、管理の粒度を下げる。
今すぐできる一手があります。
全タスクを細かく洗い出すのではなく、「今日決めることは何か」だけを書く。
3行でいい。
・デザイン初稿の日程を確定する
・素材提出の締切を握る
・承認フローを明文化する
これだけで、頭のノイズが減ります。
旅行資料を作るのと同じです。
全部を完璧に管理しなくても、「今日の目的」があれば流れは整う。
一文の合意が、空気を揃えます
もうひとつ、私がやってしまうことがあります。
ドキュメント化です。
旅行のしおり。
家族会議の議事録。
プレゼント企画の進行表。
ついGoogleドキュメントを開いてしまう。
これはもう職業病です。
でも、悪いことばかりではありません。
ドキュメントは、「合意」を可視化します。
仕事でもプライベートでも、揉める原因の多くは認識のズレです。
曖昧なまま進んだことが、後で摩擦になる。
だから私は、重くならない程度に一文だけ置きます。
“指示”ではなく、“方向の共有”として。
ここが少しコツです。
たとえばキックオフ直後。
まだチームの呼吸が合っていない段階では、言い切らない方がいい。
「今回の案件ですが、まずは“公開日を守ること”を優先に考えています。もし認識に違いがあれば、今のうちにすり合わせさせてください。」
こう書くだけで、対話の余白が残ります。
数か月進んだ案件なら、少し強めでも大丈夫です。
「ここからは公開日優先で進めます。デザインの細部調整は次フェーズで扱いましょう。」
積み重ねがある分、受け止められやすい。
ボヤが起きそうなときは、もっとやわらかく。
「少し論点が増えてきたので、一度優先順位を整理したいです。現時点ではA→B→Cの順で進める想定ですが、いかがでしょうか。」
“整理したい”という姿勢が入るだけで、空気は落ち着きます。
チームビルディング前の初期段階なら、合意より安心を優先します。
「まずは大枠の方向性だけ共有できれば十分です。細かいところは進めながら一緒に整えていきましょう。」
これだけで、心理的なハードルが下がります。
テンプレートとして、いくつか置いておきます。
【キックオフ直後】
「まずは◯◯を優先に考えています。認識がずれていないか、一度すり合わせさせてください。」【進行中盤】
「ここからは◯◯を第一優先で進めます。他の論点は次フェーズで扱いましょう。」【論点が増えてきたとき】
「一度優先順位を整理したいです。現時点ではA→B→Cの順で考えています。」【チーム形成初期】
「まずは大枠の方向性を揃えましょう。細部は進めながら整えていきます。」
どれも強い言葉ではありません。
でも、方向は示しています。
一文は、結論を押し付けるためではなく、迷子を減らすために置く。
この意識だけ持っておくと、摩擦は起きにくいです。
保存しておいてください。
年度末にも、日常にも、きっと効きます。
それでも、全部回さなくていい
ここまで読んで、「私もやってる」と思った方。
大丈夫です。
Webディレクターって、だいたいそんな感じです。
回すのが好き。
整えるのが好き。
詰まりを解消したくなる。
でも、ひとつだけ覚えておきたいことがあります。
自分がいなくても回る設計を作れるのが、本当のディレクターです。
プライベートで全部管理しなくてもいい。
現場で全部抱えなくてもいい。
少し引いて、流れを整える。
それだけで十分です。
記事が400本を超えた今、このサイトが目指しているのはテクニック集ではありません。
現場が少し楽になる視点のストックです。
共感して、笑って、明日ちょっとやってみる。
その積み重ねが、現場を変えていきます。
Webの仕事って、意外と日常と地続きです。
だからこそ面白い。
そして、ちょっとだけ管理しすぎる私たちは、きっと悪くない。

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